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著者の挨拶

(著者からのご挨拶)

こんにちは。恐らく多くの皆様、初めまして!になりますね。

ヒカルと申します。関西の大学に通っていまして、現在は3回生です(就活?なんのことやら……)。

まずはこの本を手にとってくださり、誠にありがとうございます。本当に……、本当に。

 

僕のプロフィールについては、あとがきに書きますので、よろしければご確認ください。

連絡先等もお載せいたします。

 

(本書の内容)

非常にシンプルです。

漫画家・アシスタントさん達にインタビューして「漫画界の気になるところ」を聞いてみようというものです。

ねっ、分かりやすいコンセプトでしょ(笑)。

 

読んで欲しい読者層としては漫画に興味ある人なら誰でも。

漫画業界について多少なり興味ある人が読んでくれると嬉しい。


そういう人が軽い気持ちで読める本を作りたかった。

そしたら今の時代、電子書籍っていう凄く便利なツールがあるじゃないですか!

 

そういう人向けのインタビュー内容になっています。どんな感じかは中身を見てもらえれば分かるはず。

この本は無料だから、気兼ねなくパラパラ見てください(笑)

 

本書は僕の連載企画の第1弾であって、収支は考えずに制作した。だから無料です。

とにかく多くの人に読んで欲しいから、値段はとにかく安く。今回は記念すべき第1弾なので無料だ。

 

でも内容には自信はあります。

インタビューをお受けしてくださった方々は皆、本当にすばらしい方でした。

 

(なんでこの本の執筆に至ったのか)

僕は無類の漫画好きでして……中学生くらいから「漫画関係の記事書きたい」と常々考えていたんですね。

けれど、受験やら部活やらで、なかなか記事を書く時間に恵まれず、気がつけばもう20歳になっていました(笑)。今は大学休学中(家庭の事情もありますが)で、幸い時間がある。これは書くしかない。そう思い、今回のインタビュー記事執筆にあたりました。

 

今回が記事執筆第1弾になります。そう……最初の1発目なので、自分の文章の出来が正直なところ心配だ(笑)インタビュー記事だから、基本的には録音内容を文字に変換する作業があるから、ここは僕の力量が試される。うう、心配だ。でも、そんなことを気にしていたら始めらない。まず一度、読んでみて欲しい。それで伝わるものがあるかもしれない。

 

 

(では、そろそろインタビュー内容へ)

今回はアシスタントの方2名・漫画家さん1名にインタビューしてきました(詳しくはインタビュー本文にて紹介)。

 

皆さん、本当に気さくな方で、僕のたどたどしいインタビューにも優しく応じてくれました。誠にありがとうございます。そして、ひょんなことからインタビューに同席してくれた漫画家志望の学生もありがとう。

 

僕とそう年も変わらない同世代の漫画家たちからは「俺も負けちゃいられない!」っていう闘争心をもらった。

 

うん。では早速、インタビュー(本文)内容に移りましょう。

僕のお話はまた「あとがき」の章で語るとします。

 

では漫画家・アシさんインタビュースタートです!

 

 

2014年某日          東京から帰るガラガラの深夜バス車内にて執筆


インタビュー開始

2014年、某日……東京は池袋にて、漫画家・アシスタントさん3名と専門学校に通う漫画家のたまごたち9名を招いてのインタビューが始まった。

 

~今回のインタビュー登場人物紹介~

佐藤敦弘さん

(経歴)

少年ジャンプ系列にてアシスタントを続け、早20年の凄腕アシスタントさん!

過去に経験したアシスタント現場は『ROOKIES』『シャーマンキング』『DEATHNOTE』『NARUTO』……など有名タイトルばかり!また切り絵画家さんとしてもご活躍されている御方!その美麗なテクで生み出す背景画は、同席していた漫画家のたまごたちがビビリまくるほどに鮮やか。男性です。

佐藤さんのHP  [敦弘 切り絵屋] http://kirieatsu.blog.fc2.com/      ツイッター@link_papa

 

 

ホラー漫画家X子さん

(経歴)

ホラー少女漫画を執筆!ホラー少女漫画を書いているとは思えない、ふわふわオーラの持ち主!その雰囲気に僕も癒されました(笑)!本インタビューでは知られざる少女漫画の制作現場を語ってくれました!果たして少女漫画の制作現場とは……!!? 女性です。

 

 

 

とあるアシスタントQさん

(経歴)

匿名希望で参加のQさん。様々な少年漫画の制作現場でアシスタントをしている方。インタビュー中は明るくテンポの良い語り口で、笑いをかっさらっていきました!「私、筋肉が大好きなんですよ」←本人談。女性です。

漫画好きな女性は筋肉フェチが多いのかな?

 

漫画家のたまごたちA~I(9名)

(経歴)

都内の専門学校に通う漫画家のたまごたち。私と同世代の漫画家志望者なので、私自身……彼らの生態が気になる……っ!

 

 

ヒカル(この記事を書いている当人)

(経歴)

関西の某私立大学に通う3回生。漫画家・アシスタントさん関連の記事を書きたい!……と常日頃、考えており、今回インタビューするに至った。漫画大好きです。男です。

 

 

 

 それでは以下、インタビュー(対談形式)内容を記述いたします。

(本文内での略称)

佐藤敦弘→敦弘

X子先生→X子

 

 

【基本情報編】 

和気あいあいとしたインタビュー室内にて……。


(ヒカル)

皆さん、こんにちは。ではインタビューを開始いたします。

まずは皆さんのアシスタント歴や年齢など基本情報をお聞きしてもよろしいでしょうか?

では、敦弘さんから。よろしくお願いたします!

 

 

終始にこやかな敦弘さんが口を開く。

 

 

(敦弘)

僕のアシスタント歴は20年。主にジャンプ系列の作家さんのところで活動しています。

今年の誕生日は2月14日で、39歳になります。そう、バレンタインです(笑)

 

(一同)

あら/////

 

(敦弘)   

で、18歳からアシスタントしていて……『ROOKIES』の1巻から最後までアシスタントしていました。

次に『シャーマンキング』、次に『DEATHNOTE(デスノート)』、今は『NARUTO』のアシスタントを6、7年ほどしています。

 

 

 

感心する一同。

それもそのはず……漫画好きならば読んだことはある名作タイトルの名前がズラズラっと出れば

テンションは当然あがる。

 

 

(ヒカル)

凄い有名タイトルばかりですね!全部知ってます!(興奮気味)

 

(敦弘)

で、他にホラー雑誌で連載しつつ、アシスタントを並行して続けていました。

今は切り絵画家もしています。

 

(ヒカル)

ありがとうございます!こんな感じで簡単な自己紹介お願いいたします。

では次にX子さん!よろしくお願いいたします!

 

 

おっとりしたTHE・大和撫子なX子さんが口を開く。

 

 

(X子)

連載前は、女性漫画家さんのところでアシスタント経験があります。

主に仕上げ(トーンやベタ作業)のアシスタントしていました。そのあと自分で漫画描きたいなぁと思って、今デビューして4年くらいかな。

 

(学生B)

……凄いなぁ

 

(X子)  

で、コメディ系統の漫画書いていたんですけど……

ホラー少女漫画連載しています。

 

(ヒカル)  

珍しいジャンルですよね。ホラー少女漫画って。

僕、X子さんの漫画でそういうジャンルがあるの初めて知りました。 

 

(X子)     

よく皆に言われます(笑)

 

 

続いて、こちらも笑顔を絶やさないQさんだ。

 

 

(Q)       

私は漫画関係の職に就くのが遅くて、今は6年目かな。敦弘さんの20年のあとに6年ですけど(笑)

今は、とりあえず色んなとこでアシスタントしています。

 

(敦弘)   

それでも上手いよねー、Qさん。

 

 

 

の後、ちょっとした雑談タイム……(5分ほど)

互いの自己紹介的なものが始まった。



学生も能動的に敦弘さんたちと話す。


「あぁ、いい雰囲気になってきた」

インタビュー現場は非常に和やかな雰囲気であった。


背景のお話し&アシスタントに必要なこと

(背景作業のお話)

(ヒカル)

さて!みなさんの基本情報を聞き出したところで……次はですね。この漫画のココが凄い!……っていうのを教えてもらえますでしょうか?

 

(敦弘)

これは世代によって違うよね。でも……漫画家の教科書は『AKIRA』だよね!

 

(一同)

あー!『AKIRA』!

 

(敦弘)

男性作家さんの職場には100%って言ってもいいくらいあるよ『AKIRA』。

とりあえずビルやらのひびの入り方、岩や波の描き方……を参考にするとこが多い。   

 

(ヒカル)

やはり『AKIRA』は段違いですか?(画力が)

 

(敦弘)

いや、もう……凄いですよ。密度が凄いね。あとトーンをあまり使ってないラインだけの描き方をするから、トーン使う作家さんも 『AKIRA』を見て、トーンをどこにどう貼ればいいか……直しやすい。教科書だよ。

 

一同、聞き入る……

 

(敦弘)

資料にする漫画って、いっぱいあるよね。そう例えば、『ダイの大冒険』の背景、凄いんです!

 

(x子)

あー!確かに凄いです。(漫画家の間では)有名ですよね。

凄く細かいんです。コマの人の動きだとか、色んな角度とか考えてて。

 

(Q)  

私は『デスノート』や『シャーマンキング』などの少年漫画を参考に置いてますよ。

 

(敦弘)       

正直言うと、背景書く時って、トレースだと楽だけどね(笑)

自分で書くとなると、すべて1から考えないといけないし。

 

(ヒカル)     

やっぱり背景を無から生み出すって大変ですよね。

違和感あっても良くないでしょうし。

 

(敦弘)       

すげー大変よ。

 

(ヒカル) 

絵がめっちゃ好きでないとできない芸当ですよね。あと聞きたかったんですけど……。よく漫画の戦闘シーンって荒野とか岩が多いところに行くじゃないですか。そのときって背景は岩ばかりになりますけど、ぶっちゃけ楽ですか?

 

(敦弘)       

戦いになると岩ばっかりですよ。だから正直、ちょー楽(笑)

 

(一同)      

爆笑

 

(ヒカル)

心の声「岩とかだと、やっぱり楽は楽なんだ……っ!」

 

(敦弘) 

いや、勿論最初は大変だけど、どこの現場でも一緒かな。

パターン化すると、そういう背景は描くのは楽になるよ!

 

(Q)  

早くなりますよね(笑)でも能力が向上した結果の楽だから、いいことですよね。

 

(敦弘)       

慣れると資料がいらないもん。

 

(X子)       

岩とかそうですよね。

 

(敦弘)       

新しいステージに物語が行くと、背景資料とか探すんだけどね(笑)

で、皆の絵柄を合わせなくちゃいけない。相談しながら背景を描く。

 

(ヒカル)     

なるほど!

 

(敦弘)       

それがとにかく時間がかかる(笑)

同じ場所で戦ってくれたら、その相談がないから作業は早くなる。

 

(ヒカル)     

言ってしまえば、ずっと戦闘場所が荒野だったら作業は楽になるんですね(笑)

 

(敦弘)       

そうそう。だから急に物語の場所が変化すると、「大変だー!」ってなるよ。

でも、どこの職場でもそうなるよね?

 

(Q)  

なります、なります。

新しい背景出てくると焦ってきちゃう(笑)

 

(敦弘)       

主人公が戦い終わって、街に帰るの嫌だもん(笑)

 「頼む! 帰ってくるな!」みたいなことを考えたりはする(笑)

 

(一同)       

爆笑


 

やっぱり、そういうのってあるんだなぁ。面白い

 

 

(敦弘)       

やっぱり街中を描くのは大変だよ。

 

(Q)  

本当に大変ですよねー(笑)

他にも新しい武器のデザインとか考えるのも、丸1日かかっちゃいますもん!

 

(ヒカル)     

皮肉なことに荒野で必殺技を撃ちまくってるときのが現場は楽なんですね(笑)

 

(敦弘)       

そうそう、職場は楽にはなる(笑)

 

(ヒカル)     

そこに行くと……少女漫画どうですか? 少女漫画は戦闘シーンとかないですけど。

 

(X子)       

少女漫画ですか。

 

(ヒカル)     

少女漫画って言うたら、凄くキラキラしたトーンがよく貼ってある印象があります。

 

(X子)       

うん、そうそう!

背景ないときは「トーンちらしとけ!」みたいなこともあるよ(笑)

 

(一同)               

爆笑

 

(敦弘)       

あー、でもなんか分かるなぁ(笑)

 

(ヒカル)     

見つめ合う時のキラキラ感ですよね。

 

(X子)       

うん、そうそう(笑)点描とかでブワーッと描いたりします。

女の子は背景よりも雰囲気重視なところがあって、女の子はあまり背景を気にしないのかも。

それよりも気にするのは魅力的な表情だったりするんで。

 

(Q)  

少女漫画家さんのところにアシスタント行ったとき、ベタ入れすぎちゃって。

「それ、ちょっとやめて!」みたいなこと言われたりもしました(笑)

 

(X子)       

あー、ベタ入れすぎるとねぇ……(笑)

 

(Q)  

書き込みすぎたら、駄目なケースもありますよね(笑)

あっ、でもね。上手い作家さんの原画とかで直したあととか見ると安心します。

「この人も人間なんだ!直しするんだ! みたいな安心感(笑)」

 

(敦弘)       

あと艶ベタ(髪のツヤを出すベタ作業)は基本、先生がやるとこが多いんじゃないかな?

 

(Q)  

少女漫画ではどうですか?

 

(X子)                               

少女漫画は、けっこう艶ベタはアシスタントに任せるかも……。

 

(敦弘)                               

あっ、そうなんだ。

 

(ヒカル)                             

現場によって、そういう違いも出るんですねぇ。現場次第なんだなぁ。

 

(学生A)  

いや、でも艶ベタ楽しいです(笑)

 

(X子)      

 実際、少女漫画って、あんまり背景は書き込まないかもしれないなぁ(笑)

 

(Q)  

むしろ書き込んじゃうと、浮いちゃいますもんね。

けど、綺麗にビシッと背景もキャラ絵もちゃんと書き込んでる人は「凄いなぁ」ってなります。

絵のバランスを取るのが上手いっていうか……(普通、書き込み過ぎると逆に見づらい)。

 

(X子)       

思い返すと……私、少年漫画ばっかり読んでたなぁ(笑)

 

(Q)  

それと担当してる先生の単行本が増えると、本の直しが増えてきて作業量がヤバいっす(笑)

単行本作業で他の作業もずれ込んだりしますし。今、修羅場っす(笑)

 

(ヒカル)     

僕みたいな漫画素人からすると、単行本作業ってイマイチどんな感じか分からないんですけど

どんなことするんですか? 大変なんですか、やっぱり。

 

(Q)  

雑誌掲載時の描き忘れとか、コマを足したりとかするんです。ミスがあったりするんで。

キャラの変身後とかは特に! 顔が違ったりするので。めっちゃ直しますよ!

耳とか細かいとこね。

 

(ヒカル)     

なるほど!

単行本直しって、実際の作業があまり想像できないので初めて聞きました。

素人目には「雑誌のときと、ここ違う」……ってなかなか分からないですよね。

 

(敦弘)       

X子さんのとこはどうですか? 単行本の直しは、けっこーしますか?

 

(X子)       

でも、うちは1冊で10ページも直さないかも。

 

(敦弘)       

作品によってはあまり直さない人もいるなぁ。ほぼ、そのままとか。

 直すのが好きじゃなくて、よっぽどのことがない限り、それで完成! みたいな感じでね。

 

(X子)       

へー!

 

(敦弘)       

『NARUTO』はたまに背景まるまる描き直すし、話の流れが悪いときはコマを描き足す。

凄くこだわるなぁ。雑誌とコミックス読んでる人なら気づく場面もあるはず。

 

(ヒカル)     

なるほど。

 

(敦弘)       

普通はコミックス直しって本来、割と楽な作業じゃない?

職場によっては大変だけど。

 

(Q)   いや~たま~に、作業多すぎて……。

        「もう良くないっすか?直しするの?」みたいなことはありますけどね(笑)

 

(一同)       

爆笑

 

(敦弘)       

毎週の仕事に、コミックスの直しが追加されるからなぁ。週によっては大変だね。

トーンの直しは相当大変だよね。

 

(Q)  

あー、あれはもう……トーン剥がして貼り直してという作業が大変ですよぉ。

ちょー大変っす(笑)

 

 

(アシスタントに必要なもの)

 

(ヒカル)     

なるほど! 段々、制作の裏側が見えてきました。

ではアシスタントさんにあると良いスキルとかってありますか?

 

(敦弘)       

まぁ人によるけど……ご飯を作る能力と車を運転できるかどうか(笑)

 

(学生F)  

そっちの能力ですか!!?(笑)

 

(敦弘)       

地方作家さんは買い出しが特にいるからなぁ。

都会の人はそこまでないけど、少し離れたとこに住んでると車の免許はいるかな。

で、免許持ってると仕事に呼んでもらえる率も増えるよ!

 順番でご飯を作る現場もけっこーあるんだよね。

 

(X子)       

あります、あります。

 

(敦弘)       

仕事とは直接関係ないけど、俺は両方できたから、そこは喜んでもらえた。

やっぱり、こういうスキルあると人間関係が良くなるよ!

 

 

(ヒカル)     

「お前の作ったコレ、美味しいじゃん!」みたいなことですよね。

 


心の声

これには非常に驚く反面、すごく納得もできた。

同じ職場で長く過ごす仲間……そりゃ料理のひとつはできた方がいい。

 

 

(敦弘)       

そうそう。そのへんはできた方がいいかなっていう感じ。

漫画の技術はあって当たり前だから。

これ、新人さんに言いたいとこなんだけど……職場は学校じゃない。

 

インタビュー現場に緊張感が走る……っ! ごくり……。

 

(敦弘)       

「職場に習いに行く」って考え方を早めてほうがいいかな……俺もそうだったんだけど(笑)

でも、最初はできないのが当たり前だから教えてもらう。

そしたら家に帰って練習する。で、次の仕事ではできるようになっておく。

これを常に思っといてほしいかなぁ。

やっぱり20歳ぐらいの新人が来るときに、習いに来てるスタンスの子が多すぎる。

その意識で差が出ると思うから。休みの段階で練習する人と練習しない人では差が歴然。

 

(Q)  

アシスタント応募のところに「勉強したいです」って書いてる人いますよね。

 

(敦弘)       

頑張る気があるなら、ぶっちゃけ「俺はできる」みたいなスタンスでもいいよ(笑)

頑張ったら、技術は習得はできるから。次の仕事で会ったとき、できるようになってたら「あっ、こいつ練習したんだ!」って分かるから。それが大事かな。

始めは描けなくて当たり前なんだから。今、上手い人も初期は描けてないんだし。

それを頑張るって根性つければいいかな。

 

(ヒカル)     

最初下手でも、後から追いついてこい!みたいなことですよね。

 

(敦弘)       

そうそう。ここにいる人は皆、絵が上手いんだけど……。

たぶん学生時代、学校で1番絵がうまいってわけではなかったと思う。

学校に自分以外で、誰か絶対的に絵がうまい人がいたはずなんだ。

 

(X子)       

うん、そうですね。

 

(敦弘)       

でも悔しいから、俺らは練習したんだと思う。

技術は絶対に伸びるから。練習して追い抜ける。

 

(ヒカル)     

しょ、少年漫画みたいですね!すごい……。


心の声

そういういった日々の努力を怠らなかったからこそ

敦弘さん達はこの業界で食べていけてるんだろうなぁ。

 

 

(X子)       

少女漫画だとトーンの「削り」の技術大事ですよ~。

 削りができると、とても喜ばれます。

 

(Q)  

削って「ほわっ」とさせるのが、大事っすよね(笑)

 

(X子)       

そう!ほわっとした雰囲気が! 少女漫画では特に。

よく聞かれたなぁ「削りできる?」って。

 

(敦弘)       

まぁ基本だもんね~。削りやベタ作業は。

 

(Q)  

少女漫画ってベタとかないから、あんまりパースのズレとか誤魔化せないときもあるじゃないですか。

だから、私は少女漫画のアシスタントの方が苦手かも(笑)

 

(X子)       

えっ、そうなの(笑)

 

(Q)  

だって、少女漫画に迫力つけたら、怒られちゃいますもん(笑)

 

(ヒカル)     

少女漫画って細い線が大事ですもんね。墨絵とか使えないですし。

 

(X子)       

「キャラ線より線を太くしないでね!」みたいな指示はよくありますよ。

 

(Q)  

ただ、キャラ線が凄く細い人の原稿だと「これ以上細くできない(焦り)」

……ということもあります(笑)

 

(X子)       

でもやっぱり、アシスタントさんに大事なのは人間性だったりするよねー。

 

(Q)  

確かにそれはそうですよね。

 

(敦弘)       

結局、人間性だね。週刊だと週に4回は会うもん。最初の1日目で残すかどうか決めるかな。

常識があれば大丈夫だけども。

 

(X子)       

作家さんによっては、すぐアシスタントに来た人をクビにしちゃう人もいますかね?

 

(Q)  

いやー、でも言いにくいですよ(笑)クビって(笑)

よほど酷くなければ、すぐクビはないとは……思います。

 

(敦弘)       

アシスタントさん同士が仲良くなっちゃうことは多いけどね(笑)

 

(X子)       

すぐ打ち解けちゃいますよね(笑)

 

(敦弘)       

作家さんはクビにしようとするんだけど、アシスタント同士は仲がいいみたいな。

 

(ヒカル)     

でも仕方ないですよね。クビも。

 

(敦弘)       

そればっかりは作家さん次第。仕事だからね。

 

(Q)  

アシスタントさんでも「これ直して」って言われると、嫌な顔する人いますよね。

そういうとこもあるんじゃないかな。クビって。

 

(敦弘)       

基本、原稿は直すもんだしね。

ちゃんと描いてても、イメージと違うことはあるから。

 

(Q)  

作家さんの好みとか。

 

(敦弘)       

単純に上手い下手じゃないときもあるからね、直しは。

だから、それで凹む必要はないし。

 

(Q)  

そこで「はい!直します!」って言って直す方がいいですよね。

多分、そっちのほうが使いやすい(こいつ……有能だ!)って思ってはもらえるはずです。


漫画家になろうと思ったきっかけ

皆さんはなぜ漫画業界に入ろうと思ったのですか?

(敦弘)       

……なぜ?(考え込む)

 

(ヒカル)     

やっぱり漫画業界って……一般の人からすると、なかなか踏みづらい業界だとは思うんです。

売れるか分からないですし、何かと不安定な印象があると思うので。

     

(X子)               

漫画が好きだからかなぁ。やっぱり。

 

(一同)       

オオッ

 

(敦弘)       

俺は絵しか描けなかったからかも……極端なこと言うと、ちゃんと授業受けてなかった(笑)

残ってたのが絵だった。珍しい動機かもしれない。サラリーマンにはなれないし。

 

(ヒカル)     

ずっと小学生から漫画家になるんだ! というわけではなかったんですか?

 

(敦弘)       

いや、全然ない。高校のときに、今は有名だけど『ガンガン』って雑誌が創立するって聞いたんです。

で、賞金が200万だった(笑)そこで応募したら名前が載ったんだよね。

 

(X子)       

え! 初めての漫画で受賞ですか?

 

(敦弘)       

賞は取れなかったけど努力賞みたいなところね。

けれど初めて描いたものが載ったから「行けるぜ!」って思ってね。

そのあと18歳ですぐアシスタントに行って、そこで勉強。

「絶対に上手くなってやろう!」って負けず嫌いな性格がでたなぁ。

 

(ヒカル)     

なるほど!


いや、でも初めて描いたものが載るのは相当実力がないと無理だよなぁ。

やはり凄い。

 

 

 

(敦弘)       

だから他の作家さんと僕は違うかも、動機は。

1番になりたかった(笑)

 

(ヒカル)     

凄いなぁ。ジャンプの主人公みたいですね!

 

(敦弘)      

Qさんはどう?

 

(Q)  

いや、うちは家が自営業してて高校のときから、その会社の社長なろうと思ってて(笑)

最初から漫画家になろうなんて気があまり……(笑)

 

(敦弘)       

マジで(笑)それはそれで珍しいっ(笑)

 

(Q)  

後継いないから、私が社長なろうとしてたら父が病気になっちゃって、今は元気なんすけど。

そしたら、まさかの社会人になってた兄が戻って会社を次ぐという事態に。

「私が社長になろうと思ってたのにぃ」って!

 

(一同)       

爆笑

 

(Q)  

そんで、やけになって漫画の専門学校行ったんです(笑)3年くらいは遊んでばっかりでした(笑)

で、賞に応募したら賞取れちゃって。

そしたらアシスタント先紹介してくれるって言うから東京行こうかなーって。

 

(敦弘)       

案外、そんなもんだよね(笑)きっかけは。

 

(Q)  

でも父に引き止められて、会社で働いてました。賞の3年後ぐらいにようやく東京出てきました。

その後、今に至るという(笑)

 

(敦弘)       

作家さんは小学校から「漫画家なるんだ!」って思ってた人多いなぁ。

岸本先生もそうだし、森田先生(代表作『ろくでなしBLUES』)も有名な話だけど。

昔から漫画家なりたいって人は早いよね。

 

(Q)  

ジャンプの人はデビューが早いですよね。

 

(敦弘)       

うん。大抵の人は20代前半にデビューかな。

あっ、でも鳥山明先生(代表作『ドラゴンボール』)はデビューは遅かった気がする。

 

(X子)       

えっ、そうなんですか!それは親近感が(笑)

 

(敦弘)       

でも上手すぎるからねぇ、鳥山先生は。そりゃデビュー遅くても売れるよ。

 

(ヒカル)     

やはり漫画家さんから見たら鳥山先生って……。

 

(X子)       

神です!

 

(敦弘)       

神だよ。世代があるけど、僕らの1個前の世代は、漫画界の神=手塚治虫先生なんだけど……。

僕らの世代の神様は鳥山先生かも。ずっと読んでたもん。

 

(ヒカル)     

なるほど……! やはり偉大ですね。鳥山先生って。

 

 

 

僕も大好きです、ドラゴンボール。


少女漫画・少年漫画の現場雰囲気

(敦弘)       

あとね。面白い職場エピソードとして。

昔「先生、お腹すきました。ラーメン作ってください」っていう奴がいた(笑)

 

(X子)       

えー!!?(笑)先生に頼んだんですか? 自分でラーメンつくらずに?(笑)

 

(Q)  

先生に言ったんっすね(笑)

 

(敦弘)       

そういうズレた人はいるね。

 

(Q)  

ズレてても、愛される人もいますけど、それは……(笑)

 

少女漫画の現場に迫るーー。

 

 

(ヒカル)     

そういう常識みたいなのって必要ですよね。

そこに行くと、少女漫画の漫画制作現場ってどうですか?

 

(X子)       

少女漫画ですか?

 

(ヒカル)     

少女漫画の制作現場は……「キャッキャッウフフ♪」な印象があります。

お花畑みたいな柔らかいイメージ図が。

 

(X子)       

あー、でも実際そうかもしれない(笑)

私が行ったところは「仲良くご飯食べよう」みたいな!

 

 

(敦弘)       

少女漫画家さんのところは「3時のおやつタイム」あるよね(笑)

 

(X子)       

少女漫画の現場には「3時のおやつ」はつきものですね。

えっ、少年漫画さんのところはないですか、3時のおやつ?

 

(敦弘)       

少年漫画の職場じゃ「3時のおやつ」タイムはないなぁ(笑)

男ばかりだから。

 

(ヒカル)     

(3時のおやつを食べる男性アシスタント……確かに奇妙な光景だ)

なるほど、ティータイム的な時間があるんですね。

 

(敦弘)       

「3時になりました♪休憩しましょ♪」っていう感じだよね。少女漫画の現場は。

 

(Q)  

「ご飯一緒に食べましょ♪」とか少年漫画の現場じゃないなぁ。

少年漫画とか青年誌の現場だと、個々でご飯食べますもん。

 

(X子)       

あっ!個々でご飯食べるんだ。

 

(Q)  

そうです。各々、自分の席で食べます。

 

(敦弘)       

少年漫画の現場は、まぁ個々で食べるよね。

そのまま絵を描く机で食べるよ(笑)

 

(X子)       

えー!そうなんだ!

でも、それ休んだ気持ちにならないんじゃ……(笑)

 

(敦弘)       

うん。ならないっちゃあ、ならない(笑)

 

(一同)       

爆笑

 

(敦弘)       

少女漫画家さんのところに手伝いに行った経験あるから、よく知ってるけど。

お菓子とか出てきたりね(笑)明確な休憩タイムがハッキリしてる。

 

(Q)  

そうっす(笑)

お菓子とかススっと自然に出てくるっす(笑)優雅なんです、少女漫画の現場は。

でも、それが逆にそわそわしちゃう。「えっ!いいんすか!」って。

 

(敦弘)       

少女漫画の現場は差し入れが初日は絶対あるよね(笑)

 

(X子)       

必ずありますね(笑)

 

(敦弘)       

「今日、○○持ってきたよー!」みたいなね。

 

(X子)       

そうそう、ケーキとか(笑)

 

(敦弘)       

それは女性作家さんならではだなぁ。

 

(ヒカル)     

男性作家さんのところではないですか?そういう文化は?

 

(敦弘)       

男性作家さんのところではないなぁ……(笑)

あってドーナツとか買ってくるぐらい。

 

(ヒカル)     

(確かに。男性作家さんが「ケーキ持ってきたわよ♡」って言うイメージない)

 

(Q)  

男性漫画家やアシスタントが机囲んで、ケーキでも♪

みたいなのはちょっと……(笑)絵ヅラが……(笑)

 

(X子)        

敦弘さんにちょっと個人的な質問なんですけど、いいですか?

休憩時間って明確に決まってますか(何時から休憩スタートみたいな)?

 

(敦弘)       

職場による。ROOKIESの時は休憩時間きちっとしてた。

 

(X子)       

決まってないんですか!

 

(ヒカル)     

逆に、少女漫画家さんのとこは休憩の時間決まってるんですか?

 

(X子)       

うん、私がアシスタントしていたときは食べ終わったら休憩終了みたいな。

 

(敦弘)       

少女漫画の現場はそんな感じだよね!

 

(X子)       

ここ1時間は絶対に休憩……ってこともないんですか?

 

(敦弘)       

先生によっては飯時間とか風呂時間とかキッチリしてる。

5時間働いて、2時間休み、そのあと5時間また仕事っていう配分のときもある。

だから、その2時間は何に使ってもいい職場はある。

 

(Q)  

あっ、それいいですね。

 

(敦弘)       

俺は仕事終わりに映画とか観てたなぁ。治安悪いとこは夜に絡まれたりするけど(笑)

 

(Q)  

そんなんあるんすか?

 

(敦弘)       

僕の場合、こわいお兄さんに「てめぇ、どこの組だ」っていう絡まれ方もした(笑)

 

(学生C)   

えー! 漫画家なのに(笑)

 

(X子)       

へー!でも私は 絡まれたことないですよ(笑)

 

(敦弘)       

作家さんって同じ場所に仕事場持ってたり、何か集まるよね。

 

(Q)  

集まりますねぇ。私の近所めっちゃ多いですもん、この業界の人。

ファミレスとか行くと知り合いがいて「あれ?偶然だね」とか。

 

(敦弘)       

打ち合わせでね(笑)

 

(ヒカル)     

はぁ~、あるんですね。ばったり会うってことも(漫画みたいだ)。

 

 

謎のベールに包まれた少女漫画家さんの仕事場風景や

漫画さんの日常が見えてきた。面白い!



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