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【考察】「介護とは……女性がいつまでも女性であり続けたいことを知ること」

 人間が母親から生れてきて最初は男の子も女の子も関係なく育ちます。成長する中で男の子、女の子と分けられていきます。保育園では最初トイレも男女分けしていません。成長の中でトイレや着替えが別々になっていきます。
 大人になれば男女別は当たり前ですが高齢になり施設入所するとその当たり前がなくなることがあります。措置時代の施設では男女同室やおむつ交換でもブラインドカーテンをせずにするのは当たり前。廊下に出ておむつ交換をしてもらうこともあったそうです。
 高齢になったら、ボケたら、男性も女性も関係ない、それは僕たち若い世代の勝手な解釈だったのです。
 「仕事ができる人の脳できない人の脳」(加藤俊徳)の中にこのように書かれていました。”お年を召してくれると、それぞれの性で多く見られる形が増えてきます、しかし、ここで重要なのは、そのようにして出てくる性差は正直、環境や経験の影響を多分に受けていて、生まれ持った違いではないということです、つまり男の子として、女の子として扱われていく中で、それ相応の思考を身につけていくのだと考えられます、特に、感情の処理とその表現が、性差として現れてくるのかもしれません。”
 身体が動かなくなり、自分のことができなくなり、人の世話になる……そんなときでも女性は今までの人生の中で女性として育ってきたのです。最後まで女性として恥ずかしさを持ち続けるのです。あのおばあさんはそのことを僕に教えてくれました。

「介護とは……女性がいつまでも女性であり続けたいことを知ること」
 目の前にいるお客様を”高齢者”と括らずに”女性”、”男性”と性をしっかり受け止めよう。
 
 
 
【参考文献】
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2010-01-12

この本の内容は以上です。


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