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雨雲

空の見えないところから

雨が差してくる

これがいつかの雲だったなんて

未だに少し信じられない

 

重い足を勢いづけようと

歩き始めた街

一人に慣れ過ぎた

右手に傘を持たせて

 

ニューオープンの店

妙な模様の雑貨が並ぶ

君ならどう思う?

君なら何て言う?

 

降り始めの雨の強さが

涙の感じに似てる

君なしで生きてこれたなんて

未だに少し信じられない


約束のかわり

ねえ 言葉って

寂しいもんだからさ

もうちょっと飾り付けようよ

てっぺんに星をのせて

 

ねえ 「愛」って

物足りない響きだからさ

付け足したくなるんだ

「してる」って

 

甘い言葉を

毎晩たっぷり交わして

後で二人で笑い合おうよ

それが約束のかわりさ


悲しみは

色のついた言葉に

染められてしまうけど

 

歩き出す

一歩は過去の破片を

踏みつけてしまうけど

 

少しずつ

薄れゆく君は

今僕が生きている証

 

体から

こみ上げてくる

形のない記憶


心残り

何の告白もなくて

分かり合える気持ちがあって

 

何の決定打もなくて

こじれゆく関係があって

 

そこにあった心の揺れを

互いになんとなく知っている

 

過ぎ行く時の中で

解きほぐされるわだかまりがあって

 

何を確かめ合った訳もなく

肩寄せあったりする

 

心の揺れはまだ消えず

互いの胸で響いている


伝える

見計らうほど

タイミングは掴めず

言いそびれてきた

 

一人歩きしかけた

想いをもう一度

握りしめ直す

 

君だけに知られたくなかったことは

君だけに伝えるために

今残されている


この本の内容は以上です。


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