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目に見えないもの

目に見えないものを

僕は上手に使えない

投げたい時に掴みきれず

使いたい時に取り出し切れず

 

目に見えないものは

僕を上手に振り回す

目に見えるものに乗り移って

僕の心に引っ掛かるのを待っている

 

目に見えないものを

僕は上手に確認できない

明日へ連れて行けない

目を覚ました朝の

ぼんやりとした空の中から

一つずつ探り当てていくしかない


春一番

心がざわめく

一本の木と同じように

冬が引き裂かれていく

痛みの音がする

 

時が掘り起こす命

命がもたらす温もり

風が作った隙間に春

 

激しい情熱をもって

訪れる季節を

窓越しに眺めながら

するするとお茶を飲む


そうやって

変わりゆく

私がいて

この体は

絶対を拒む

 

いつか死ぬ

私がいて

この体は

永遠を拒む

 

生きている

私がいて

この体は

病すら抱ける


見えない目

誰かが

電信柱の影から

見張っているんじゃないか

そんな不安

 

誰かが

遠く遙かな天から

見守ってくださってるのではないか

そんな安心

 

見えない目に

疎まれ

睨まれ

育まれて

見えない目を

いつか見返してやろうか


夜光

無理矢理

越えようとした

夜が

あったけど

 

自分で

はい上がらなくても

朝日は

やってくる

 

心を

焚き付けて

火のないところから

煙を立たそうとしたけれど

 

自分で

輝こうとしなくても

帰り道は

見つかる

 

車や

ビルが捨てて行った

光をつなげて

家まで



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