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減速

夕闇の中に

紛れ込めないでいる

得体の知れない感情

 

僕が昨日まで

悲しみと

呼べていた感情

 

帰りを急ぐ

車の慌ただしさの

すぐ傍で

 

僕の足取りは

あまりの軽さに

沈んでいる


笑いすぎて

笑いすぎて

涙が出る

悲しすぎて

可笑しくなる

 

分かりすぎて

分からなくなる

疲れすぎて

眠れなくなる

 

何でもありすぎて

何もない

何もないから

何かある気がして

おそるおそるカーテンを開く


それぞれの時計

大切な人と

さよならする時に

止まってしまった時計の針

 

また心に一つ

時計をしまう

別れの時間を指したままの

 

再び動き始めるときを待ちわびて

自分の時を黙々と刻む

一番大きくて寂しがりの時計


未来図

失敗から

余計なことまで

学んじまった

 

増えた知識が

補ってしまう

暗い未来図

 

知れば

知るほど

分からなくなる

 

親しくなれば

親しくなるほど

ぎこちなくなる


まね

まねをする

僕らはまねをする

ご先祖様の行いを

先人たちの生き方を

まねしようとしなくても

気が付くとまねしている

 

まねをする

僕らはまねをする

漢字の書き順を

式の解き方を

最短距離で

知識や技術を身に着けるため

 

僕らはまねをする

まねしながら

同じ道を歩きながら

いつか逸れる方法を探している

遠い昔の過ちまでも

まねしてしまわないように



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