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庭先

いくつもの葛藤を

小さな部屋に押し込んで

来たのは嗅ぎ慣れた土の上

 

突拍子もない風の後で

庭には穏やかさが残された

滑りも伸びやかな鳥の影

 

時が季節の訪れを

気配で知らせようとしていた

ありとあらゆる命が

生まれたがっていた

 

春がほどけようとしていた


立ちながら

この足に

大地は

甘えている

 

どんな僕も

地球は

受け止める

 

座るベンチの

見つからない

雑踏で

 

立ちながら

感じる

光の抱擁


僕の雨

僕の雨じゃ

花一つ育てられない

泥まみれの瞳に

小さな水溜まりを作るだけ

 

僕の雨じゃ

虹一つ映し出せない

太陽の温もりに

心ごと乾かされていくだけ


平凡

悲劇というほど

様にならない人生

喜劇というほど

オチのない人生

 

毎日を生きやすくするために

少しずつ夢を準備する

絶望に引き出されなくても

希望は持っておきたい


位置

「あったかい」と言える位置に

太陽があり

僕はのんびり昼寝ができる

 

「僕たちの」と言える位置に

地球があり

僕はぴんと背筋を伸ばす

 

「あのさあ」と呼ばれる位置に

君がいて

僕はどきっと後ろを振り向く



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