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【考察】「気付くこと、察すること」

「君、ハーマン・カーンという人は誰や」

 

松下幸之助さんは生前、部下の江口さんにこのような質問をしました。

そのとき、江口さんは「ハーマン・カーンという人は、21世紀は日本の世紀だと言っているアメリカのハドソン研究所の所長で、未来学者です。」と答えました。

 

すると、翌日松下幸之助さんが江口さんに「君、ハーマン・カーンという人は誰や」と全く同じ質問を投げかけたのです。

 

江口さんは同じ様に答えました。

 

すると、3日目あろうことか松下幸之助さんは「君、ハーマン・カーンという人は誰や」とまた同じ質問をしたのです。

 

江口さんはどういうことかさっぱりわかりませんでした。

 

僕達介護職も江口さんの3回といわず、10回でも20回でも「いつ家に帰るんだ?」などの質問を繰り返すお客様にお会いすることがあります。

 

このとき、お客様が”何を求めているのか”考えたことがありますか?

 

松下幸之助さんの事例で言えば、4回目の質問が来る前に江口さんは気づくのです。

 

松下幸之助さんはテレビや新聞に出ているような表面上の知識がほしいのではなくて江口さんが、知っている・学んだハーマン・カーンとはどんな人物かを教えてほしかったのです。

 

そして、松下幸之助さんは「君、僕が意図していることはこういうことやで」とは言いませんでした。

江口さんに”気づいて”ほしかったのです。

 

それでは、僕達の目の前にいる認知症の深いお客様は何を求めているのでしょうか?

 

帰る時間帯を教えてほしいのでしょうか?

 

それは一つの見方です。

 

本当は、ここにいても大丈夫という安心感がほしいのではないでしょうか。

 

お客様は認知症が深くなり、何度も来ているデイサービスでも初めてきた場所に感じ、本当に自分は帰る事ができるのか"不安"になっているのではないでしょうか?

 

いる場所がわからない。周りを見ても見ず知らずの人(お客様の視点では)ばかり。

 

あなたがもし、見ず知らずの土地のJR駅にいるとしたら、○時の○本目の列車に乗れば帰る事が出来ると思っていても不安になることはありませんか?

 

僕達の目の前にいるお客様はデイサービスにいるだけでそのような感覚になるのです。

 

お客様はあなたに”安心感”を求めているのではないでしょうか?

 

・何時にどこに帰る事ができる。

・時間になるまでここにいれば危険なことはないし、安心できる。

 

そう確信したいのではないでしょうか?

 

 

お客様が何回も同じ事を繰り返すのは認知症だから繰り返すのではなく、あなたの言葉や行動だけでは不安で不安でたまらない。

 

本当に大丈夫なのか確信できないからと考え方を変えてみてはいかがでしょうか。

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。

コメントは自由制です。一見さんも読者も大歓迎です。

※心無い非難・誹謗・中傷等は削除させていただきます。

 

次回配信日は1月18日です。

「死はすぐ傍にあると”気付く”こと。」

岡本大輔


この本の内容は以上です。


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