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ぼくの家に、赤ちゃんがやってきた。

ぼくは、小学校3年生。つまり、8歳だ。

お父さんもお母さんも、8年ぶりの赤ちゃん誕生に

はしゃぎまわっている。

ぼくも、もう8年も、ひとりっ子でいたわけだから、兄妹ができるのは

うれしかった。

生まれた赤ちゃんは、女の子。

赤ちゃんができただけでも喜んでいた両親は、女の子と知って、

とびあがらんばかりの喜びようだった。

なんでも、男の子と女の子を1人ずつ授かるというのが、

母の若い頃からの夢だったそうだ。

赤ちゃんが生まれてから、お母さんは、のんびり寝ているのかと思ったら

そうではなくて、おっぱいをあげたり、おむつを替えたり、ぼくの学校の

準備につきあったり、それはそれは、忙しそうだった。

とうとうお母さんは、風邪をひいて寝込んでしまった。

毎日、無理していたんだと思う。

ぼくは、なるべくお母さんを手伝おうと思った。

妹のおむつを替えようとするんだけど、足を持ち上げて素早くおむつを

セットすることができない。紙おむつは簡単だと思っていたのに、

ぼくが、なんとかできるようになるのに、3日かかった。

そして、ぼくが1番困ったことは、妹が、泣きわめいて、ちっとも泣きやまない

ことだ。

ガラガラを渡しても、すぐにポイッと放り投げるし、「いないいないばぁ」

ってあやしても、ちょっと泣きやむだけで、すぐに泣きだしてしまう。

なんなんだろう。ぼくが嫌いなの?

しまいには、ぼくが泣きたくなった。

見かねたお母さんが、

「おっぱいがほしいのかな?」

と言って起きてきて、おっぱいをやる。

妹は、小さな手で、おっぱいをおさえながらコクコク飲んでいる。

泣いているときは、あんなに憎らしいのに、こうしておっぱいを飲んで

いる妹は、本当にかわいいと思える。

やがて、飲み疲れて、スヤスヤ眠ってしまった。

ちびっこギャングみたいな妹が、今は天使の顔で眠っている。

本当に赤ちゃんって、小さくて可愛いなぁ・・・とぼくは思った。

こんなに小さい赤ちゃんが、みんなを振り回している。

それでも、やっぱり赤ちゃんは愛しい存在で、ぼくたちの

宝物だなぁ、と思う。

「妹よ。これからもよろしくな。」

とぼくは、つぶやいた。

 


この本の内容は以上です。


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