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はじめに

「ノマド」という言葉が一般的に使われ始めたのは、2009年頃からだろうか。

・ノマドワーク
・ノマドスタイル
・ノマドワーキング

新たな働き方として、こういった呼び名が生まれた。オフィスを持たずに、どこでも仕事ができる働き方。簡単に言えば、それが「ノマドワーキング」である。もともとの語源は「遊牧民」であり、1つの場所に留まらず良い環境を求めながら土地を転々とする姿は、確かに「ノマドワーキング」を表している。

このような働き方が生まれたのには、やはり理由がある。
1つは、ITの進化。パソコンなどの電子機器やインターネットサービスが普及して、働くことに自由度が広がったのだ。
もう1つは、社会環境の変化である。長引く不況に企業は苦しみ、そしてその企業に対して人々が不安・不満を抱く。こうした心理的変化が、「会社を飛び出す」という選択肢に繋がっていくのである。

しかし近年、どうも「ノマド」という言葉だけが独り歩きしているように思える。ノマドに対して否定的な見方を示す人も増えているし、どうやら働き方に伴う品格ともいえるものが崩れてしまっているのではないだろうか。
ノマドを実践する身として、この働き方は月並みだが素晴らしいと思う。しかし万人にとってではなく、やはりメリットがあればデメリットもある。これから起業・独立あるいは副業などでノマドを目指す人には、ノマドの「本質」について良く理解しておいてほしい。その上で、1つ働き方の選択肢として、「ノマド」を目指すべきかを考えてもらいたい。

また「ノマド」として働く人の多くは、フリーランスもしくは個人経営者になるだろう。そのため本著では、こういった「フリー」で働く人々にもスポットを当てながら働き方について紐解いていきたいと思う。

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最終更新日 : 2013-02-27 14:14:22

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急速なITの進化

ノマドが生まれた背景として、まず取り挙げるべきが「ITの進化」だろう。

世の中を見渡せば、今や至るところにITが広がっている。「会社にパソコンが1台もない」なんていう人は、ほとんどいないのではないだろうか。工場などでも管理にパソコンを使っているし、外回り専門の営業マンもノートパソコンやスマートフォン、タブレットPCを多用している。
無線LAN環境の整備も進められ、街中でインターネットに繋がるようになってきた。カフェや駅など、自宅にいなくてもインターネットサーフィンやメールの送受信などができてしまう。こうなれば、特に仕事の多くをパソコンでこなすようなビジネスマンであれば、「会社に行かなくても良い」と考えるのは必然的といえる。

地下鉄などはインターネットに繋がらないが、それでも電車の座席に座ってパソコンを開いたり、タブレットPCやスマートフォンを操作している人は良く見るのではないだろうか。これは例えばOfficeソフトでの事務処理や、オフラインに保存しておいたコンテンツの閲覧など、インターネットに繋がらなくても出来る作業をしている。
電車と言えば少し前までは「寝る」「本を読む」「ボーっとする」が過ごし方の上位を占めていたのではないかと思うが、ITの進化によってこうも変わってきた。特にスマートフォンなどは、ビジネスマンに限らず実に多くの人々が「時間潰し」として触れている。それだけ、ITが身近になったということだろう。

またパソコンを購入するのも、随分とハードルが下がってきた。
私が学生の頃は、家庭用のデスクトップパソコンを1台買うのにも20万円ほど掛かったが、今や20万円も出せばビジネス向けのかなりハイグレードがパソコンが買えてしまう。Apple社のMac book Air登場に追随しようと発売されるUltrabookであれば、5万円程度でも購入できるほどである。
スマートフォンなどガラケーと同じ「0円携帯」と化しているのは今や普通だし、自宅にインターネット回線を引くのも毎月定額で数千円。場合によっては、プロバイダのキャンペーンなどで「工事費無料」「3ヶ月無料」なんてものまである。自分の周囲にIT・インターネット環境を構築するのは、これほど簡単なのだ。

ではここで、「仕事」に視点を戻してみよう。
会社の中を想像してみてほしい。仕事をするのに、何が必要になっているだろうか?おそらく多くの人は、以下のものに留まるのではないか。

・パソコン
・インターネット接続
・プリンター
・携帯電話/スマートフォン
・事務用品

この中で、持ち歩けないものは何だろう?それは、「インターネット接続」と「プリンター」である。
ではさらに質問を変えてみるが、この中で自宅にないものは何だろうか?一部の方はプリンターを持っていないかもしれないが、それ以外には全てのものが自宅で揃うはずだ。

プリンターについては、今やコンビニエンスストアのコピー機にUSBを挿せば印刷ができる。中にはインターネット経由で印刷を行えるサービスだってある。コンビニエンスストアなんて至るところにあるのだから、「プリンターがない」なんて問題はすぐに解消されるだろう。
インターネット接続については、今やカフェや駅などに公衆無線LANが整備されている。事前にインターネットに繋がる場所さえ知っていれば、あとはそこに行くだけでインターネット問題も解消だ。
もしコンビニエンスストアがなかったり、インターネットに繋がるカフェがないとしても、それなら自宅に帰れば良い。インターネットはかなり多用すると思うが、プリンターについてはある程度予定を立てておけば、そう頻繁に必要になるものでもないだろう。コストを投下できるのであれば、インターネットについてはモバイルルーターを使うという方法もある。このモバイルルーターについては、後ほど別の章でご紹介しよう。

そう考えると、1つの疑問が生まれてくる。

「会社という“場所”は、必要なのか?」

そう、これがノマドを生むことに繋がるのだ。

仕事をするのに、わざわざ決まった場所を用意する必要はない。しかし会社に勤めている以上は、会社に出勤しなければならない。
このジレンマに悩んだ挙句、フリーランスやSOHO、あるいは法人などとして独立する道を選び、その働き方としてノマドワーキングを選択していく。ITの進化がなければ、ノマドなんていう働き方が一般化することはなかっただろう。

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最終更新日 : 2013-02-27 14:14:22

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