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Hallucination #64



世界の悪いところいやなところがうじうじと蟲のように這い出てきて
この体を顔を腕を腹を首を指を爪を足を膝を脛をたぐるように嘗める
吐き気を催しながら喉を開けばどろどろとしたこの世界への嫌悪感が
はっきりと形になって心を蝕みさらに奥深く広がって離れられないで
ねっとりと責める重い空気が肺の中にまで押し入ってきて息苦しくて
身悶えしながらこの先まだ生きなくてはいけないというつもりですか
内蔵をえぐりえぐりかき混ぜられるようなもったりとした不安の中で
みんなみんな大嫌い不快感を押しつけて流れゆく世界がみんな大嫌い
この命の不気味さそして目から流れでる涙の生暖かさが気持ち悪くて

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でたらめの街



彼は頚を縊る瞬間
目を閉じたのだろうか
彼をさいなむ世界の総てを
見ずにすむようになったのだろうか

彼女は身を投げた時
口を開けたのだろうか
彼女の中に澱んで行った
心を全部吐き出せたのだろうか

君も家に帰り着けば
耳を塞ぐのだろうか
言葉も意志も空も水も嘘つきで
でたらめの街は時間だけが正しく過ぎて

ぼくは無機質な雑踏の中
誰にも届かないSOSの口笛を吹く
ぼくらが何も変えられないのなら
誰か代わりに生きてくれないかな

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Hallucination #68



目を閉じても目を開けても変わらない世界
暗くても明るくてもぼくはもう気にしない
ため息をつく胸の動きだけで広がっていく頭痛
薬や食事やラベル付きの時間が過ぎるのを待つ

決められたことを決められたようにやれない人びと
笑いたいように笑えないままに笑われていく
神様は見守ってくれる君だけの神様だけど
願いは妄想になってこの部屋の空気を満たす

から元気の看護婦たちは物のような人としてぼくらを扱い
少しずつぼくらは人のような物になっていく
閉じられた扉の隙間から吹くひんやりとした風だけが
この部屋に許された最後の世界へのあいさつ

はめ殺しの窓から空を飛ぶ空想をする
そんなことを話せば医者はまた困った顔をする

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販売価格350円(税込)

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