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よろこび



いろいろなかたちの
かなしみかたがある
あなたのかなしみを
わかってあげたくて

いろいろなかたちの
よろこびかたがある
あなたのよろこびを
わかってあげたくて

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とけあう/とけあわない



さらりとひかるはだのいろ
からだごとふれる

なみだがこぼれてくる
ぼくらはふたつだから

やわらかいむねにしずんで
きみにしみこみたい

だけどぼくらふたつだから
だからせめてひとつだけ

きみにとけこんだぼくを
うみなおしてくれるなら

こんどはもうすこしだけ
いいいきものになるよ

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どこでもないところへ



あのこはくるまにのせられて
どこでもないところへ

あのこはうまくやれなくて
じぶんのことができなくて
たすけてあげるといわれてて
しずかにくるまにのせられて

あのこはここでいきてきて
ここのことしかしらなくて
だけどもうまくやれなくなって
だれかにすがるしかなくなって

なんにもしらないとおいところへ
あのこにとってどこでもないところへ
おもいでだらけのここをはなれて
あのこにとってどこでもないところへ

さよならぼくはここにのこって
あのこのおもいでひろいあつめて
あのこがいったどこでもないところへ
はるになったらとどけてあげようか

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軋んだ世界は皆が頷かなかった方へと翳る



ひとひとりひとりずつであれば
だれもいじわるなんてしない
みんなやさしくしずかなままに
きっとやすらかにくらしたい

だれかをにくらしくおもうのはだれ
そのこえをがまんできないのはなぜ
だれもがなにもきずつけたくはないはずなのに
だれもなにもなかせたくなんかないはずなのに

はぐるまとほねとがきしむおとがする
きしんだようなだれかのこえももれる

だれかへむけてこぶしをかためるぼくたちのこころがかなしい
ことばでなぐりなぐられるくらいならぼくはまけたままでいい
めいよもかみさまもきまりごともなにもかもなくてかまわない
けんかするくらいならばぼくはほんとうのことなんていらない

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kano



そのちいさくとがった
あかりはとてもきよらかだから
つめたいなみだもかわかしてくれる

みなもをふねがすすみます
そのたびのゆくえをいのって
やみをひらくかがりびがともります
あかりはとてもきよらかだから

かなしみがとどかないばしょへ
さあまいりましょう
かなしみがとどかないばしょで
さあはじめましょう
すべてをわすれるうたを

そのちいさくとがった
あかりはとてもきよらかだから
ふれるものはすべて
かならずどこかをきずつけてしまう

いにしえのおどりのなかで
またたくひかりにとびこめば
よりよいものにうまれかわれるからね

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からんだーしゅ



ころ ころり こり
ころがる からんだーしゅ
こころ ころり きっと くるり
からんだーしゅ くる くるり

そら うらら ほら
ころがる からんだーしゅ
やだ からだ くらくら くら
からんだーしゅ ころ ことり

いっぽんのえんぴつをかじってみましょう
うすみどりのはっかがしみわたるでしょう

あら たまに また
ころがる からんだーしゅ
からだ くるる まわる おどる
からんだーしゅ ぽろ ぽとり

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はるによせて



ひとはまたたちあがりとおりすぎるはるのひざしのなか
きみのことはわすれないけれどさようならになるじかん
ことばをたくさんたくさんかわしたつたえあった
おもいをたくさんたくさんかわしたつたえあった

いきていればめぐりあいまたあえるひもあるでしょう
だからいまはまだてをつなぐだけにしておきましょう
ひとのこころはそんなにつよくできてはいないから
いつかうつりかわりはなれることもわかっていたとしても
わからないふりをしつづけることでしょう

そしてまたすれちがいはなれてゆくはるのひざしのなか
ぼくのことをわすれないでねとさようならをいうじかん
てがみをたくさんたくさんかわしたつたえあった
きもちをたくさんたくさんかわしたつたえあった

おもいだせばわきおこりまたおもいがふくらむでしょう
だけどほんとうにかなしいものはわすれてしまうでしょう
ひとのこころがおもいだせないものなどとじこめて
いつかうつりかわりなにをおもいだしたかおもいだしても
わからないふりをしつづけることでしょう

ことしもきれいなさくらがちっていきました
また あえるよ
きみもぼくもおなじようないのちであるならば

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Ничего не было



たとえばここから
ぼくが飛んだら
君はぼくを思い出してくれる?

ぼくの眼鏡が
砕ける音を
憶えていてくれる?

ぼくが君に遺せるものは
なんにも・ない
だからせめて

ぼくの骨が
砕ける音を
憶えていてくれる?

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いやがらせ



何も嫌がらない人になろう
ぼくを嫌がらせる
あの人に
嫌がらせをするために

笑い続けることで
あの人が何かを
諦めてくれるなら

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淋しがり



心の傷のかさぶたはがして
ひりひり痛みを後生大事に
まるで何かの約束みたいに
みせびらかしているみたい

誰も気づかないと不機嫌で
ため息わざわざついてみる
そろそろみんな飽き出すと
新しい傷つけに部屋を出る

勲章でも約束でも証拠でもないよ
泣いても辛くても何もめぐらないよ
きみもぼくも淋しがりなんだから

淋しくて死にそうになったらぼくに言ってよ
きみの淋しさはぼくひとりではいやせないけれど
ぼくもきみと同じ淋しがりなんだから

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さよならのうた



これからきみにさよならをしよう
会うことができてうれしかったきみへ
ぼくらはしみじみと死んでいこうね
乾いたギターをかき鳴らしながら

ぼくらが撃たれても世界は終わらない
のんびりと笑いながらでも
さよならはできるよ

あがいても無駄な世界の上で
ぼくらはぼくらなりに生きてきたよね
とびきりだったとは言えないかもしれないけど
生きながらそれなりに喜んだりもしたじゃないか

たとえどんなに傷つけられたとしても
すべての人を恨まないように
ささやかな祈りを

君を守ってやれなくてごめんね
ふたりで一緒にさよならを歌おう
次に生まれなおした時には
もっと世界が幸せになってたらいいね

あの銃から飛び出た弾がふたりのからだを貫くとき
ぼくらの闘いは終わってしまうらしい
安らかに


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