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あたたかい雨

あたたかい雨が、桃の木にはらはらと落ちています。

お元気ですか。風邪など引いてませんか。

 

先日、久しぶりにあなたの笑顔を見ました。

きらきらと輝く瞳は、あなたそのものでした。

 

低くて落ち着いた声を聴いていると、私の中に眠っていた感情が疼いてしまいました。

ゆらゆらと、まるでリズムを刻むようなお喋りは、魔法のようでした。

 

どうやらあなたを、恋愛対象に視ている私です。

 

そんな気持ちに気づいてしまった私は、

あなたの眼を見ることができません。

そして、あなたの声がすると、耳を澄ましてしまうのです。

 

どうか気づいて下さい、私に。

どうか気づいて下さい、私は女です。

どうか気づいて下さい、私の想いに。


愛を形に

桜の蕾が色づき始めたようです。

こんにちは。はじめてのお便りです。

 

あなたとの出逢いは、三年前でした。

なぜか、その声に聞き覚えがあるような気がして振り向いた私。

 「いい歳をして、故郷になんの恩返しもできていない……」

そのとき、そんなことをいったあなたでした。

少し、しゃがれた声のあなたが、とても印象的だったのです。

 

あれから月日が流れ、私は変わりました。

想いを形にするということを考えるようになったのです。

見ず知らずの、知り合いともいえない間柄ではありますが、

あなたの発した言葉が私の中に息づいたのです。

 

そして、勇気を出して、やっと伝えようと思います。

しかし、会って伝えるには歳をとり過ぎました。

 

あなたが大好きです。できることなら、愛しあいたい。

 

これ以上の言葉は思いつかないのです。

どうか、この真心をお汲み取り下さい。 


母からの小包

春の日差しも麗らかに、道端の小さな命も元気に動きだしましたこのごろ。

いかがお過ごしですか。

 

いつも、故郷の品をいろいろと送ってくれて、ありがとう。

懐かしい物に、懐かしい味は、自然に体に溶けていくようです。

お陰さまで、家族みんなが元気に過ごせています。

 

膝の痛みはどうですか。悪いところ、増えていませんか。

何事も、無理をせずに、ほどほどに。

そして、笑っていて下さい。

 

次回、帰省する時には、好きそうなものを買って帰ります。

では、逢える日まで元気でいて下さい。また、連絡します。

 

あなたの娘より、愛をこめて。


さくら、開かれて

あたたかな風に桜の花が開かれていく様子は、少し恥ずかしげにも見えますね。

お元気ですか。お仕事、忙しいですか。

 

多忙なあなただから、

この季節の変わり目に体調を崩していないか、少し心配しています。

 

あなたを想うとき、私の心は嫉妬で胸が締め付けられています。

なぜなら、その才能はあなただけのもので、私には無いものだからです。

 

あなたを想うとき、私の心は華やいでいます。

なぜなら、その仕事ぶりが見事なので、心から尊敬しているのです。

 

あなたを想うとき、私の心は寂しさでいっぱいになります。

なぜなら、今、あなたと一緒に居ないという現実に、気づいてしまうからなのです。

 

そして、あなたを想うとき……。

こんなにも、愛したいという想いを素直に伝えたいこと。

ただ、めぐり逢えたことに感謝していることを、私は実感するのです。



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