目次
政治ブログの限界:ママさんブログを見直す(1) - 2012.02.20 Mon
ママ・ブログの潜在力(2):“ふりかけ”ブログも充実 - 2012.02.20 Mon
大晦日にブログを書くバカ、読むバカ - 2011.12.31 Sat
転生記念新春特別プレゼント1/2 - 2012.01.04 Wed
私が貰ったお年玉:東大にもお分け - 2012.01.05 Thu
転生記念新春特別プレゼント2/2 - 2012.01.06 Fri
福袋:新春特別プレゼント追加 - 2012.01.07 Sat
「食べログ」が訴えるって?何を? - 2012.01.08 Sun
アメリカの地震と津波への同情は終わり:American sympathy on Earthquake and Tsunami is over - 2012.01.09 Mon
大人力って何だ? - 2012.01.09 Mon
外交の武器とは?:無機の強さ - 2012.01.10 Tue
石原慎太郎:預言者に転生? - 2012.01.11 Wed
米大統領選どうなる:竹中平蔵、大田弘子の敵は赤ちゃん - 2012.01.14 Sat
転生石原都知事に捧げる:Reincarnated Extremely Dangerous - 2012.01.15 Sun
外交力とインナー・サークル:東大にルートは? - 2012.01.16 Mon
“知らんぷり”と社会劣化:Social deterioration by ignorance  - 2012.01.18 Wed
稲田朋美氏の正論を題材にしたメンタル・モデル分析演習 - 2012.01.19 Thu
無礼をお許しください、芳賀先生:産経新聞に感謝 - 2012.01.20 Fri
トヨタいじめ:大前研一氏のOp-Ed分析 - 2012.01.22 Sun
Ms. Dowd, you will lose your friends:ダウドさん、友達失くしますよ - 2012.01.23 Mon
空の目(JALの目):野球の話 - 2012.01.24 Tue
マスゴミの正体:恐怖と不安 - 2012.01.26 Thu
石原新党、党名決まる:AKBが応援歌 - 2012.01.28 Sat
アメリカにはやられっぱなしだ:稲田朋美の「正論」続編 - 2012.01.31 Tue
岩下俊三の転生 - 2012.01.31 Tue
東大が30位?:秋入学はどうなった - 2012.02.01 Wed
戦いの時を失した:尖閣問題 - 2012.02.02 Thu
分水嶺を越えた:まっさかさまに何処へ? - 2012.02.04 Sat
本当は怖い裸のバンビ:Hard ass bambi from Chicago - 2012.02.05 Sun
香山リカの橋下論:メンタル・モデル分析 - 2012.02.06 Mon
橋下「維新会」の戦略立案力:浪花節分析 - 2012.02.07 Tue
どうするプラウ?:米失業率低下と対日圧力 - 2012.02.08 Wed
Obambi背水の陣:背筋を凍らせて笑いましょう - 2012.02.10 Fri
政府紙幣って何ですか?:aHoo質問箱 - 2012.02.13 Mon
歴史に思いを馳せる場所:石原新党のお粗末な歴史認識 - 2012.02.13 Mon
狙われるブロガー - 2012.02.14 Tue
美味しい”ふりかけ”:ジャーナリストのメンタル・モデルの読み方 - 2012.02.21 Tue
お金を払って読むジャーナリストのメンタル・モデル:あっ、この顔は - 2012.02.22 Wed
誰を連想しました?:戦略家たちパート2緊急出版 - 2012.02.23 Thu
Blood, Sweat and Tears(プラウ分析);酒と涙と男と女 - 2012.02.26 Sun
前原さんが悪い。しかし、それだけではない:産経記者締め出し事件 - 2012.02.27 Mon
潜在力とは何か?;中田宏ブログから - 2012.02.29 Wed
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分水嶺を越えた:まっさかさまに何処へ? - 2012.02.04 Sat

日本は分水嶺を越したそうだ。

まるで、この製造業の壊滅状態を暗示したかのようなタイミングだったのでびっくりした。

電機大手8社の4−12月期最終損益、4社赤字4社減益と壊滅状態」(2012.2.3)

   ya_049.jpg
               (素材提供者:星野伸 撮影場所:神奈川県)


石原慎太郎:預言者に転生?」に引用した石原慎太郎さんの「地球は滅びる」に対して、「石原氏の論点は、悲観論が多すぎる。もっと英知をだして、国家と人類の希望を語るべきだ。日本の潜在能力はこんなものではない。
そのためには、正しい歴史観に立ち、経済数値に明るい人物の登場が日本にも世界にも急務である。
GDPを世界一にする。円を基軸通貨にする。日本文明を世界文明の中核にして、世界を救う。
」と書いた人がいる。
日本にとって「経済数値に明るい人物の登場が急務である」には賛成だが、”GDPと購買力の関係”、”今のGDPと同じ額の輸出をするだけの材料(主に技術)”に関する知識に対する疑問を持つし、「日本の潜在能力はこんなものではない」の意味はわからない。新聞でもネットでこういうことをおっしゃる人がいるのは知っているが、日本の潜在能力って何なのですかね。

オバマ大統領の一般教書以来、アメリカで製造業ってそんなに大事なのか?本当に雇用を促進するのかとの論議が盛んである。

But the administration argues that big trends ― like rising wages in developing countries, falling wages in America and a weaker dollar ― have made moving work to or keeping work in the United States a much more viable option. And they say that manufacturers will continue to add jobs domestically, especially with a little help from Washington.
しかし、オバマ政権は、途上国での賃金上昇、アメリカの賃金の低下とドル安という大きな流れを見れば、海外での仕事をアメリカに呼び戻し、アメリカでの仕事を守ることは極めて可能性のあることと分析し、ワシントンのちょっとした手助けがあれば製造業は国内雇用を拡大すると言う。
We have a huge opportunity, at this moment, to bring manufacturing back,” Mr. Obama said in his address to Congress. “But we have to seize it. Tonight, my message to business leaders is simple: Ask yourselves what you can do to bring jobs back to your country, and your country will do everything we can to help you succeed.”
「現時点では製造業を国内に呼び戻す絶好のチャンスだが、それを実現しなければならない。ビジネス・リーダーに単純なことを伝えたい。仕事をアメリカに戻すために何ができるか自分に問いかけて欲しい。そうすれば、アメリカはあなたの仕事が上手く行くようにどんなことでもする。」オバマ大統領は議会でこのように述べた。
White House Offers Plan to Lure Jobs to America」(February 2, 2012)

オバマ大統領は、ドル安政策を採り続けると宣言しているのです。

日本の製造業の業績悪化は、決して地震や津波(タイも含めて)の所為だけではありませんよ。2008年の金融危機以来、アメリカは一貫してドル安を続けてきました。基軸通貨でなくなる、アメリカは終わりだと喜ぶ声もたくさんありました。

これは、オバマ大統領の就任以後一貫した戦略なのです。

米国にドル安、円高政策を取られたら企業はお手上げです。このようなシナリオは再生エネルギーで強い企業にも取られる可能性大です。」と述べたのは、3年3ヶ月前の2008年11月8日のブログです。

潜在能力のある日本人がなぜ、彼らの戦略に対抗する経済政策を打ち出せなかったのでしょうね。
経済数値に明るい人物がいなかったからですか?

私は、単に戦略的に物事を考えることが苦手な国民だからじゃないかと思うのですが、間違っていますか?

官僚は勿論ですが、政治家にもヒリヒリするビジネスの競争を体験した人がいないからでしょう?戦略ってどういうことなのかわからないのではないでしょうかね。
政治ブログを書く人にはご立派な方が多いから同じ傾向があるとは思いたくありませんが・・・。

潜在能力のある日本人の誇り「東大が30位?:秋入学はどうなった」で、コラムニストDavid Brooksさんのコラムが。「一方的な物の見方という欠陥がある。その思考パターンが何か、指摘してください」とテストを出しました。

Brooksさんは、共和党の支援者でオバマ大統領の政策が、incremental(増分という意味です)に過ぎずアメリカ社会を根底から変革する(transformative)ではないといちゃもんつけています。そのうちのひとつが、サービス産業が90%なのに、製造業の活性化とは一体何だというものです。共和党は抜本的な未来図を描いている(嘘です)のにオバマの一般教書には夢がないというものです。
Hope, but Not Much Change」(By DAVID BROOKS January 26, 2012)

BrooksさんとKrugman博士はほとんど同じ日にコラムを書いています。意見が大きく違います。互いに意識し合っていて面白いのですが、私が思う欠陥は、Krugman博士ならどう反論するか十分に意識して書いたとは思えないことです。相手がどう反論するか、それを考えて書かないと、折角の共和党支援がぶち壊しになるということです。
この場合、オバマ大統領を支援するKrugman博士は競争相手(competitor)なのです。博士が一般教書についてどう書くか、その予測をした上で論破しなければならないのですが、オバマ大統領をけなすことばかりに気を取られて、何とも大雑把で荒っぽいコラムです。

案の定、Krugman博士のコラムは、自動車の救済成功を取り上げ、製造業の雇用を増やすためには、スティーブ・ジョブズ(Apple)のアメリカでの雇用の小ささを例にとって、賃金でなく部品などのサプライヤーを含む産業クラスターが必要だという専門的なものです。同じ紙面で、両方を読むと質の差は歴然です。
Jobs, Jobs and Cars」(By PAUL KRUGMAN January 26, 2012)

さらに、この二日後、やはりオバマ大統領を支援するFriedmanさんが、製造業に関する企業経営者と政治家のものの見方が異なるという(私には)すばらしいコラムを書いています。
彼の視点こそ、今壊滅的な打撃を受けている日本の製造業に対して政治がすべきことを暗示していると思います。
Made in the World」(By THOMAS L. FRIEDMAN January 28, 2012)

分水嶺は越えた。一月は12万4千台売れた。カムリは2万8千台も売れた。伸び率56%だ。
世界一を目指す力強いトヨタの宣言もあったし。
・・・豊田章男社長陣頭指揮の下でカムリは全車アメリカでの組み立てだよ。アメリカ人の雇用が増えるからオバマ大統領はハッピーだ。

日本の雇用はどんどん逃げていく。

結局は、このブログでしつこく書いてきたように、エネルギー・シフトのためのインフラ整備を国がやることによって製造業のイノベーションが活性化する。お利口な鳩山さんの炭酸ガス25%削減が経済政策なんだと口を酸っぱくして言ってきましたが、何と京都議定書からの離脱ですものね。

日本民族のすごい潜在能力。日本は世界のへそ論。

聞き飽きた。


本当は怖い裸のバンビ:Hard ass bambi from Chicago - 2012.02.05 Sun

「つまんないという念が通じたのか欠陥コラム2題の後のMs. Dowdは彼女らしさを取り戻したようだ。

220px-Maureen_dowd_pic_cropped_v3.jpg(Wikipedia)

欠陥を指摘する前に、彼女らしさをまず見よう。
Who’s Tough Enough?」(By MAUREEN DOWD January 31, 2012)

「政治リスクが格段に大きなオサマ・ビン・ラディン殺害指令はオバマ大統領自らが下した。前面に出ないで後ろで“ごにょごにょ”言うだけのリーダーでなんかじゃない。オバマはリーダーそのものだ。骨のある男なのだ。」

副大統領バイデン(Joe Biden)が、大統領選キャッチ・フレーズ、“オサマ・ビン・ラディンは死に、GMは生き残った”を民主党員に刷り込むための演説だと皮肉一杯のコラムである。

パキスタンへのドロン(drone)攻撃指示もやったし、オバマは今やタフガイだ。本当のタフガイというのは、難しいミッションを達成しても前大統領のブッシュみたい大騒ぎしない。あくまでもクール。
(フロリダ州でギングリッチ氏を大差で破り、いよいよ共和党大統領候補の本命になった)ロムニィ(Romney)も注意したほうがいい。タフガイは自分をタフガイとは言わないものだ。・・・他の人に言わせるんだ。
(要旨のみ)

共和党応援なのかオバマ応援なのかわからないコラムになってしまったようだ。

オサマ・ビン・ラディンの住居を急襲したリアルタイム映像を見ていたオバマ大統領のビデオを見た人いますか?
政府高官数人が観ているのですが、オバマ大統領は端っこに座って、背中を丸めて身を乗り出している姿はとても主役の大統領とは思えないものです。
確かにオバマ大統領は自分の功績を大げさに言わない。
(後でも検討しますが、決断は戦略シナリオの一環です。戦略を本気で考えている人なら決断結果が上手くいって当たり前と思う傾向があるので、大喜びしない。逆にはしゃがない人は戦略力がある人ということができる。)

ただ、バイデンの演説は、彼自身の発案でもオバマ大統領の指示でもないと思われます。アクセルロッドかプラウの差し金だろう。(“オバマの戦略家たち”を読んでいる人ならそう思うだろう?)

その目的を、一般教書(リンク)から二つのパラグラフを引用して説明する。

The state of our Union is getting stronger. And we’ve come too far to turn back now.
As long as I’m President, I will work with anyone in this chamber to build on this momentum. But I intend to fight obstruction with action, and I will oppose any effort to return to the very same policies that brought on this economic crisis in the first place.
就業数も増えてきた。財政赤字を200兆円削減する合意もできた。ウォールストリートの責任を明確にして金融危機が二度と起さないようにもした。)アメリカの結団力は強まっている。もう後戻りすることはできないところまできた。私が大統領でいる限り、このモメンタム(慣性)を高めるためなら議会の誰とでも共に戦う。しかし、反対するなら断固戦う。このような経済危機に陥らせた政策に戻そうとするどんな政策にも反対する。

You’re the ones struggling with rising costs and stagnant wages. You’re the ones who need relief. Now, you can call this class warfare all you want. But asking a billionaire to pay at least as much as his secretary in taxes? Most Americans would call that common sense.
(富裕層の税率アップのBuffet ruleの適用に関して)生活費が高くなる一方、停滞する給与に苦労しているのは国民だ。助けがいるのは国民だ。これを階級戦争と呼ぶなら呼んで構わない。しかし、億万長者にせめて自分の秘書なみの税金(率)を払えというのは階級戦争だろうか?そんなことは常識と思うアメリカ人が大多数ではないのか。

オバマ大統領は、すぐ妥協する骨のない奴ではないか、やっぱりウォールストリートの手先ではないか、という(根拠のない)批判に曝されてきたのも就任以来3年間の歴史である。
この一般教書での戦う姿勢を国民にわかってもらう、バイデンが紹介したエピソードはそれが目的です。そのシナリオを描くのはアクセルロッドとプラウです。

Ms. Dowdがキャンペーンのお先棒を担いでくれた。
これですよ、これ。



ブログ用.png
               (上の絵は南北戦争で北軍が勝利した戦いのひとつ:Wikipedia)


私は初めてだが、もうObambiを使うのは止めてくれという読者もいるので、Ms. Dowdが以前発明した言葉なのでしょう。それにしても上手いものだ。
きつい言葉の中にユーモアたっぷりがMs. Dowdの特徴で私は好きだ。これに較べると問題の二つのコラムは若干違うと思わなかったですか?

あの二つは、他の人のオバマ分析(というか単に感情的な解釈)を基にオバマ大統領とミシェル夫人を攻撃しているだけだからつまらないのだ。なぜオバマがあのような言動をしたのか、彼らの立場に立った分析の欠片も見えない。
したがって、深みもない単に悪口だけのコラムになった。Mr. Brooksで指摘したのと同じである。
ただし、Ms. Dowdの一方的な見方が、逆にオバマ大統領の本質に迫る格好の情報を与えてくれた。
Showtime at the Apollo」(By MAUREEN DOWD January 21, 2012)

Asked about his cool, aloof style and his unproductive relationship with John Boehner, Obama replied: “You know, the truth is, actually, when it comes to Congress, the issue is not personal relationships. My suspicion is that this whole critique has to do with the fact that I don’t go to a lot of Washington parties. And as a consequence, the Washington press corps maybe just doesn’t feel like I’m in the mix enough with them, and they figure, well, if I’m not spending time with them, I must be cold and aloof. The fact is, I’ve got a 13-year-old and 10-year-old daughter.”
Ms. Dowdは、これを聴いて何とバカなことを言うと思った訳だが、別の見方が必要である。「議会の問題は個人的な関係にあるのではない」というオバマ大統領の根源的な物の見方が問題なのだ。

私は、これを(私の言う)無機の部分で政治を行おうとする基本姿勢と捉えている。
アメリカをこういう国にしたいと考え、それを達成するための戦略シナリオを熟考すれば、後はそのためのプログラムを一つ一つこなすだけになる。
これは、基本的に無機の作業なのだ。
彼が共和党と妥協を重ねなければならなかったのは、妥協しなければ最終的なシナリオを放棄せざるを得ないからで、お高くとまって自分は不運と考えているからでもない。
妥協そのものが無機の作業の一部になっているからだ。実際、メディアから妥協を責められても、本人は一向気にしていないようだ。いい訳をしたことがないのも事実だ。プラウやアクセルロッドは、気にするだろうが・・・。

こういう観点で読めば、レーガンとの比較も不適切、カーター前大統領も夕食を共にしたことがないという事実の見方も変わるはずだ。
彼が無機に捉えている典型が、中間選挙で敗れたミネソタの民主党候補に、“In the end, this is for the greater good of the country.” (結果的には、国のためになることだ)というセリフに表れている。
オバマ大統領が敗北にshellacking(完敗)という言葉を発してもっともショックを受けたのは、誰もが知っている。
その時点で、議会運営の難しさ、一体それをどう乗り切るか、2012年の選挙に勝つためにどうすべきか、彼の頭には敗北を今後の国のためにどう使うかという(戦略変更に)切り替わっていたのだ。
ここに、戦略的思考が異常なまでに鋭いオバマ大統領のメンタル・モデルが見えてくる。

政権からのリークがないためにメディアが困っていることは「オバマの戦略家たち」に書いた。それは今でも同じだ。
泡(バブル)の中の泡に包まれて仲良しのシカゴの取り巻きに囲まれてというのもこの点で見方が浅い。
戦略思考の高い大統領の下ではたらくためには、スタッフも戦略思考に優れていなければならない。下手なリークがあれば、戦略そのものに齟齬をきたす。
ホテルに残されたメモ」(だから日本はこうなった:外交)は、多分意図的なリークと思われる。
アメリカは炭酸ガス排出量の数値合意を求めないという世界へのメッセージだ。
メキシコのCOP16、昨年のCOP17までの経緯がその答えだ。
Ms. Dowd のお陰で、恐ろしいまでのオバマ政権の戦略力を知ることができた。

この視点がないから、決めの「2012年の選挙は、どちらもメディアに不平をもらすオバマとギングリッチの戦いだ」という皮肉が面白くも何ともない。
フロリダで負け、さらに昨日ネバダでも負けたギングリッチが予備選挙を勝ち抜く可能性はほとんどないから、今読むと面白くないを通り越して“間抜けなオチ”だ。

2番目のコラムの問題も同じだが、そこに見えるオバマ大統領はもっと恐ろしい。
Tension on the Tarmac」(By MAUREEN DOWD January 28, 2012)

Tarmacというのは、飛行機が着陸した後に駐機する場所のことだ。
元々、このコラムは、クリントンに端を発した訳でなく、オバマ大統領の移民政策に異を唱えるブリューワーアリゾナ州知事(Jan Brewer)が、駐機場で指を振り上げてオバマ大統領に迫ったが、話し途中で「冷静に」と一言残してリムジンに乗った事件(?)だ。その映像がメディアに流れ「警官みたいで怖かった」という彼女の談話から始まったものだ。

オバマの戦略家たち」で、プラウがヒラリー・クリントンのインディアン発言問題をキャンペーンに使って、オバマ候補から手ひどく叱れた逸話を紹介した。
ヒラリーサイドが、オバマが薬物をやっていたとか、イスラム教徒ななどとキャンペーンに使ったことに余程腹を立てていたのだろうが、逆切れしたヒラリーの腕に手をやって、そこでも「冷静になって」と言ったのと同じだと批判しているのだ。

私がオバマ大統領が恐ろしいと思ったのは、この言葉だ。

After his encounter with Hillary, he told advisers that it was the first time he knew he could beat her because he saw fear in her eyes.

ヒラリーが恐怖を感じたのは、オバマの態度が彼女の予想とまったく違っていたからだ。
「ちょっとやりすぎてごめんね」(ヒラリー)
「いやお互い様だから気にしないで」(オバマ)
という程度の話で済むと思っていたのだろう。

オバマ大統領にとって、敵は粉砕すべきものなのだ。
一回一回に勝負を賭けるぐらいの先読みをしている証拠だ。

話途中での切り上げは、相手が女性に限ったことではない。
昨年の財政赤字削減問題で、ベーナー下院議長との話し合いが決着しないと思った瞬間にさっさと会談を打ち切ってwalk outした。共和党はカンカンに怒って非難した。

このコラムの最後は、「オバマ大統領はディベートが苦手だから得意なロムニィとやれば共和党に願ってもないことだ」で結んでいるが、果たしてそうだろうか?

ブログでは、オバマ大統領就任直後、たったひとりで共和党議員集会に乗り込んで、質問のひとつひとつに時には考え込みながら丁寧に答えたことを書いたが、そのシーンを見ると決してディベートが苦手とは言えないだろう。2008年のマケイン共和党大統領候補とのディベートも3戦3勝だった。

Ms. DowdはObambiと茶化すが、コペンハーゲンCOP15で、温家宝首相がブラジル大統領やインド大統領との極秘の会合の席に招かれもしないのに押しかけたあの豪胆さには驚いた。(「だから日本はこうなった:外交」に詳細)

戦略性、緻密さ、そしてスパッと切る(政治家に必要な)冷酷さ。
Ms. Dowdは、これまでもう一つ見えなかったオバマ大統領の思考と行動様式を鮮やかに浮かび上がらせてくれるきっかけを作ってくれた。

国家間の外交は首脳間の相互信頼と友情が生まれて初めて本物になる。だから首脳外交が外交の本旨なんだ。外交は外務省がやるものじゃない。首相官邸と大統領府がやるものだ。私はそういう意識を持っていたし、そう言ってきた
中曽根元総理大臣が今年産経紙上で語ったことだ。
首相に必要な人間的余裕」(2012.1.4)

その通りだ。
ただ、中曽根氏の時代とは国際情勢も経済背景も異なる。同盟国すら経済競争では敵だ。
今、日本国の総理大臣に求められる相互信頼と友情のあり方は戦略性資質を抜きに語ることはできない。

オバマ大統領時代はあと4年続く。
この際立って優れる大統領と対峙することができる人はいるのか?


TPP賛成でも反対でもいい。
賛成なら賛成で、反対なら反対で、相手にも有利になりながら日本の利益を優先する戦略を作れるかどうかだ。
石原新党ができても、大阪維新の会と協力してもすぐにそんな総理大臣は生まれない。威勢良く反米を掲げればすぐに潰される。小沢、鳩山がいい例だ。
今の政党政治を続ける限り、出れば打たれる。出なきゃ一方的に押し込まれる。

出ても一方的に打たれないのは、相手にも納得できる戦略立案力を持ち、圧倒的な国民の支持を受ける総理大臣を作ることしかない。

“いなげや”のオージー・ビーフもアメリカ産に変わった。

輸出を倍にすると宣言しているオバマ大統領だ。
あっという間に押し切られるぞ。

香山リカの橋下論:メンタル・モデル分析 - 2012.02.06 Mon

大評判である。
テレビの前で議論しても残る橋下市政への違和感」(2012年1月30日)への反響が大きい。

さすがに心理学の先生。メンタル・モデル分析にぴったりの論旨展開でありがたい。
香山リカさんのご指摘(緑)を戦略メンタル・モデルと対比する。

そもそもの疑問は、「大阪を変える」「日本のシステムを改革する」と訴える橋下市長が、変えた後にどういう社会を創りたいのかがどうしても見えないことです。

ないから見えないのです。あれば、必ず見えます(後述)。

番組の中でも橋下氏は、「不連続のチャレンジ」「グレート・リセット」という言葉を再三使われていました。 「今でなくていつやるのか」「待ったなしの改革」と、しきりに変化の緊急性を訴えられます。変化は当然リスクを伴うことです。しかし、それを質問すると、「じゃ、このままでいいのですか」とおっしゃって、変化させないことのリスクのほうが大きいことを訴えていました。
「では、現状のままでいいのですか」と言われ、「いや、そうは思わない」と答えると、「じゃ、代案を示してくださいよ」とさらに言われます。しかし、精神科医である私にそんなことができるはずもないし、その権利もありません。


できる(?)弁護士の典型的なレトリックです。仙石さんと同じ物言いですね。
反論を反論に転じる姑息な弁護士が使うもの。そういう弁護士は、政治やビジネスなどの本質議論に向いていない。

なぜ、そんなことをしつこく聞くのか。それは、橋下氏が弁護士時代、テレビ番組で何度かはっきりと、「自分は改憲論者で核武装論者」と語っていたのを記憶しているからです。

これが、ドットと回帰直線の関係。当然の疑問です。香山さんは正しい。

image002.gif
  

そんな下地の中で登場し、理想を掲げるよりも、現実論で変化を訴えているのが橋下氏です。目に見えやすい実際の問題を指摘し、敵を明確にしては、一つひとつ壊していく。その実行力が、何をやっても変わらない世の中に失望していた人に受け入れられたのだと思います。

過激な言葉は感情、つまり有機。
有機は飛びやすい。拡散しやすいのです。しかも、全体との相対関係は見えず、手掛ける問題は部分に過ぎないが問題なことは確か。だからわかりやすい。

橋下人気は、2006年の郵政選挙時の小泉人気と同質です。



この顔いいですね。小学5年生のやんちゃ坊主。
そんな顔で口とんがらかして過激なことを言えばみんな面白がります。
キーパーソンかどうかはわかりません。
何と言っても横山ノックを知事にした大阪ですから。
しかし、香山さん指摘の部分は定義の問題であり、無機の部分ですから、それがなければやがて飽きられるのが普通です。

「具体的に税や年金の制度をどうするのかという技術的な問いではなく、まず大きな問いから議論を始めるべきだ。どうすればより良い社会を構築できるのか、正義や公正さが守られるためにはどうすればいいのかということだ。そうした原点からスタートすれば、(負担のあり方などについて)皆が納得しやすい 仕組みをつくることが可能になるのではないか。」(日本経済新聞、2012年1月23日)
「まず大きな問いから」という姿勢には全面的に同意します。


全面的に同意ではなくて、そうしない人をキーパーソンなどと言うような(田原総一郎さんでしたっけ)人を無視すればいい。



香山リカさんは、この図のどこも埋まらないと言っているのです。埋まらないということはこういう一貫性のある思考回路を持っていないということです。全部×印でコネクトできない。このコネクトは、橋下氏の言う改革の不連続性とは別のことです。根本的な革新はすべて不連続。古い鋳型を壊すのだから。しかし、そこでも到達目標と達成戦略には一貫性がなければならないということ。
終わり。That’s it.

香山さんの橋下氏に関する疑問は次の記事にもあります。ご参考まで。

橋下市長個人にではなく〈橋下的なもの〉に感じる違和感。
本当に必要なのはリダンダンシーのある社会ではないか(2012年1月23日)


大阪市長選挙に思う。
数値化できる成果が出なければ存在価値はないのか(2011年12月12日)


橋下「維新会」の戦略立案力:浪花節分析 - 2012.02.07 Tue

橋下さん、2年後でいいですから、このコマーシャルを作ってください。クリント・イーストウッド使ったあなたの大阪維新成功宣言です。日本のObambiがんばれ。

前回は、香山さんの疑問を思考回路に当てはめたものだ。
そこで、橋本徹オフィシャルHPを基に総理大臣甲子園的メンタル・モデル分析を行った。

結論を先に言えば、具体的戦略がやはりない。

戦略以前の環境づくりのアウトラインがあるだけである。それが大阪都構想という位置づけだ。
このアウトラインを作ったのはビジネス経験のない大学の先生と推測した。・・・その通りで、ブレーンは上山信一という方である。輝くような経歴の持ち主である。ビジネス経験らしいというのは唯一マッキンゼーの共同経営者であったことだ。
コンサルタントである。
失礼な言い方になるかもしれないが、あくまでも一般論である。
橋本氏がやろうとしているのはイノベーションそのものである。それをしっかりと認識する必要がある。その上での話しだ。
コンサルタントは、イノベーションの当事者にはなり得ない。自ら、何かを開発できる訳ではないし、答えがないようなプロジェクトに自らのリスクで独創的なアイディアを提供する役割でもない。(断っておくが、私は上山氏の新書を読んでいない。)

橋下氏が批判者に対して攻撃的になるのは、上山氏のアウトラインに具体的な戦略のないことを頭の鋭い彼自身が理解しているからか、或いはあるのに消化しきれていないかのどちらかではないかと思う。
いずれにしても、具体的な質問に応えるだけの準備がないのだ。
だから、質問を攻撃と捉える。防御本能が逆攻撃に切り替わるのだ。気の毒なことだ。
心理学者である香山さんは、多分ここに気付いているはずだ。

具体的に説明する。

大阪の危機
東京と比較すると大阪市の凋落ぶりは鮮明さを増す。平成8年の大阪市の一人当たり所得は412万円で、東京の427万円と遜色なかった。ところが、平成18年には東京482万円に対し大阪市344万円と約140万円もの差がついてしまった。
優秀な人材の流入や将来性のある企業立地を促すこともできず、企業流出に歯止めをかけることもできなかった。その結果、多くの生活指標が悪化し(全国最高の生活保護率、低い消費支出、高い完全失業率等)、貧困家庭の子弟が十分な教育を受けられず、そのため世代を超えて貧困から抜け出せない、いわゆる貧困の再生産という最悪の事態が進行している


これが課題である。

大阪が持つ潜在可能性
大阪は一地域でありながらアジアや中東の中規模国家、例えば台湾やサウジアラビア並みのGDPを擁している(府内GDPは約38兆円)。
環境、エネルギー、エレクトロニクス等の分野では世界をリードする技術を誇り、産業基盤も充実している。これからの日本経済を牽引できる潜在可能性は十分ある。
しかしながら、市町村は旧来の地域経営モデルとフルセット主義を改めることもなく、また広域的な調整も十分に機能していないため、府市を初め様々な取り組みがバラバラで、その潜在可能性を十分発揮することができないでいる。いまこそ、地域が自らの発展を戦略的に目指すことのできる枠組みを構築する必要がある。


大阪のことは良く知らないが、これも正しいのだろう。(しかし、広域的な調整がないから上手く行かないという根拠が不明である:ビジネスをやる者なら、この時点で、問題点を抉り出して基幹戦略の骨子を創り上げる。だから、こういう書き方にはならない。)

次の大阪再生マスタープランで、それが明らかになるとの期待で読んだ。

大阪再生マスタープラン

私たちは、この大阪の危機を打開し、大阪の再生を進める枠組みを構築するため、大阪再生マスタープランを提案する。
同プランの概要は次の通りである。

大阪府域の再編
4.
大阪の潜在可能性を顕在化させ成長戦略を策定する。
5.
アジアの拠点都市に足る都市インフラ(道路、空港、鉄道、港湾等)を整備する。


たったこれだけである。課題で東京と年収で140万円もの差があって、貧困県と言いながら、成長戦略の策定は後回しである。
そして、そのための環境作りみたいなものがONE大阪と「維新の会」である。

一体、これは何じゃい?(何故か、関西のやくざ口調?)

ONE大阪
バラバラの取り組みを一つに方向付け、人々の連帯意識を育むため様々な分野(交通等)で「ONE大阪」に向けての運動を提案し展開する。

ローカルパーティー(地域政党)「大阪維新の会」
大阪の人々のエネルギーを結集するための装置としてローカルパーティー(地域政党)「大阪維新の会」(綱領別添)を結成する。中央集権的な既存政党は上意下達機関であり、地域住民の問題意識を吸収し、課題を設定し解決する装置としては不十分である。
「大阪再生マスタープラン」に示される現状認識を共有し、「大阪維新の会・綱領」に賛同する者が各議会で会派「大阪維新の会」を結成する。また、賛同する者の中から関連首長候補、関連議会議員候補を擁立し、5年以内に新たな大都市制度の具体化に着手する。


大阪都構想には多くの誤解があるとしてその説明がある。

成長戦略としての大阪都構想
いずれにせよ過去の統一地方選挙を振り返っても、ここまで都市のあり方が根本的に変わってしまうかも知れない選挙の争点はなかったでしょう。 住民の生活がどうなるかという個々のメリットは、大阪が成長し税収が上がった後に、各自治体の首長・議会が決める問題です。 大阪都構想で、大阪の成長が見込めるのかどうか、ここを深く議論すべきです。 今のままの大阪府・大阪市の関係で大阪は成長するのか? それとも仕組みを変えるべきなのか? 大阪都構想は、借金頼り、増税頼り、国からの交付税頼りにならない、成長の仕組みになるのか? ここの議論が重要であり、この議論は今の大阪府自治制度研究会が深く精緻に議論しております。大阪府のホームページに、議事録や資料が全て掲載されており ます。この議論を見れば、個々の住民サービスがどうなるかという議論ではなく、大阪都構想自体で、十分選挙の争点になることをご理解頂けるはずです。

大阪都構想は大阪再生の第一歩
住民の所得を上げれば、住民生活が大きく変わることは間違いありません。 住民生活をどう変わるかを詳細に論じるよりも、所得を上げる方策を打ち出せば十分なはずです。 自治体の住民サービスをどう変えるかを詳細に論じるよりも、各自治体の税収を上げる方策を打ち出せば十分なはずです。 これまでは、住民生活をこう変える、住民サービスをこう向上させると、非常に細かな政策羅列が統一地方選挙で行われておりました。しかし、財源確保が十分ではなくほとんどが言いっ放しで終わっています。 大阪都構想は、個々の住民生活・住民サービスを論じるものではありません。住民の生活を向上させる、自治体の住民サービスを向上させる根っこの部分、すなわち大阪の経済成長を底上げする大きな仕掛けなのです。


やるべき課題ははっきりしている。そのために大阪の持つポテンシャルを活用して成長戦略を採らなければならないと繰り返し、繰り返し言っているだけだ。誤解も何も、靴の上から水虫掻くような大阪都構想に過ぎないから、具体的な戦略を出せといわれているのじゃありませんか?

この仕事が大変なのはわかる。
しかし、成長戦略に関して言えば、管内の産業連関をどのように機能的に結びつけて(そして、ないものは創り上げて)GDP拡大を図るかという問題に帰結する。比較的単純なことだ。

ここには、トライアングルの徹底的な分析が必要になる。

東京と比較して大きく所得が下がった原因が何か?

大阪には松下(サンヨーも含めて)、シャープなどを支えてきたすばらしい技術を持つ中小企業があった。その凋落は東京の大田区や江東区と似たようなものに違いない。GDP減少は、それとどう関係するのか?
経団連の米倉会長は住友化学だ。自動車、家電製品用化学・プラスティック産業も生産拠点の海外移転で大きな打撃を受けた筈だ。

仕事は誰に奪われたのか?東京なのか、韓国なのか、中国なのか、タイなのか、インドネシアなのか?
負けた産業を放置するのか、再生するのか?
再生するなら、狙うべき競合国内経済圏はどこか?特定しているか?
国外競合相手の具体的な強み、弱みを分析しているか?戦うにせよ、強調するにせよ、相手を特定しているか?

一方、武田薬品などの製薬会社も多い。その地盤は沈下していないはずだ。その産業を地域経済拡大に利用する手立ては検討したのか?

このような分析の跡がHPにはまったく見られない。(イロハだから多分やっている筈だが、やっていればHPの書き方が変わる筈。だから不思議に思うのだ。)

香山さんが具体的に指摘した“良い教育”という問題だが、この点で一つ尋ねたいことがある。

大阪大学は国立大学だが、EUの地域統合が大阪圏の地域統合のモデルとでも思っているような研究がある。その研究にはないと思うが、実際にはEUでは統合に先駆けて、先端技術の共同研究によって各国間の融和を図る地道な努力が為された事実がある。
類似とも言えないが、大阪大学には”イノベーションリーダー育成プログラム”というのがあり、近畿大学などとも共同で地域産業の活性化を図る動きがある。これを大阪都構想にどのように反映させようとするのか?
実は、論文「イノベーションのメンタル・モデル」執筆の時点で、そのホームページを見た。2009年1月の開設である。3年後、未だに、「評価未実施のため、現在のところ該当なし。」とある。
あれは、イノベーション25と経団連の意見書を踏まえたダブル・メージャーを基にしたイノベーションリーダー育成手法である。論文でさんざんけなした間違いだらけの育成方法である。
橋下氏が行おうとする維新は、“今のままでは駄目だ”である。
その通りだ。
しかし、肝心の今のまま、つまり、最も“東大的なるもの”であるあんな人材育成方法を踏襲するつもりなのか?

こういうことが産業活性化具体戦略に反映すべきことなのだ。
これらは、今すぐでもやれることばかりだ。大阪都ができるまで待たなきゃならない性質のものではない。

私の大阪に関する知識は殆どないに等しいが、それでも一般論としてこの程度の指摘はできる。たった30分でだ。プロジェクトを進める基本の常識パターンだからだ。実際にやるのは結構辛い無機の仕事なのだ。しかし、その基本さえ踏めば実行可能な成長戦略は生まれる。
それが、ないから香山リカさんの疑問をモデル化したよりややましだが、やはり中身に乏しい思考回路が浮き彫りになる。

水虫戦略.png
コンサルタンとを雇うのも良し、しかし、首長である橋本徹氏がビジネスに必要なここに書いたような産業・技術の基本知識と戦略思考がなければ、コンサルタントなど使いこなせない。
何度も言うが、コンサルタントは絶対にリスクを取らない。リスクと言えば、このプランには投資がどのくらい必要で、有形・無形リターンがどうなるかの示唆もない。こんなもの計画でも何でもない。

余計な提言
そんなに大阪を変えたいなら、日本を変えたいなら、イノベーションを実際に経験した戦略立案者と戦略遂行部隊を持つことだ。
そして、彼らの仕事がやりやすいように、役所の職員が必要なデータを素早く提供する仕組み、なければデータ収集作業をやらせるようにトップの責任で周知徹底させること。戦略立案・遂行部隊には余計な口出しはしないこと。コンサルタントも不要。大学の先生なんぞが口出しできるほど生易しいものでないのだ。
しかし、横で見ながら自分自身で勉強しないと彼らの思考回路を理解できない。

6ヶ月もあれば、戦略はできる。

注意するがこれから役所の抵抗は強くなる。
組織論をきちんと勉強しなきゃ駄目だ。「MOTと企業文化」を熟読のこと。

総理大臣甲子園的メンタル・モデル分析に感情は無関係だ。あなたの書いたものがそのまま戦略思考力の判定になる非情なものだ。
したがって、あなたの現時点でのその能力は残念ながら”惨めなもの”だ。
得がたい人材と思うので力をつけて欲しい。
あなたの頭は鋭いからあの論文読めばすぐできるようになる。その上でHPを書き直してご覧。見違えるようになるから。
それをやれば、スパイラル的に考えが飛躍する。

今のままだったら、”ウォールストリートを占拠せよ”(OWS)と同じだ。彼らには政治権力はないが、あなたは既に権力にあるのだから、”現状のままでいいのか?”は通用しないのだ。

どうするプラウ?:米失業率低下と対日圧力 - 2012.02.08 Wed

先週金曜日、一月の就業数が24万増加して失業率が8.3%まで改善したという記事を読んだ時、真っ先に頭に浮かんだのがこれである。
「どうするMr.フラッフ?失礼、Mr. プラウ?」
これおかしいよな。吹きだしたよ。fluffってごみのことだろう? fluff.png
注:プラウが誰か知らない人は「オバマの戦略家たち」参照のこと。裏の大統領と言われる実力者だ。)

記事にも、この増加は予想外なので、大統領選挙両陣営のキャンペーンのやり方が微妙に変わるだろうとある。
Jobless Rate Falls to 8.3%, Altering Face of Campaign」(February 3, 2012)

Obama:
“The economy is growing strongly. The recovery is speeding up,“ Mr. Obama said. But he conceded: “These numbers will go up and down in the coming months.”
経済は力強く成長している。回復のスピードも早い。しかし、この数字(失業率)は今後も変動する。」とぬか喜びに終わらないように予防線を張ることを忘れない。

Romney:
“This recovery has been slower than it should have been. People have been suffering for longer than they should have had to suffer,” Mr. Romney said, at a supply company in Sparks, Nev., before Saturday’s caucus in that state. “Will it get better? I think it’ll get better,” he added. “But this president has not helped the process. He’s hurt it.”
この回復は、本来もっと早く来るはずだった。これほど長く苦しむ必要はなかった。良くなるかって?私は、良くなると思う。しかし、オバマ大統領はこうなるまで何の助けにもならなかった。彼が遅らせたのだ」と経済が引き続き良くなっても攻撃できる方針に変えてきた。

オバマ大統領の支持率がじわじわ上がってきていた時のこの失業率の改善である。未だに数字は高いが就任時並になったのは大幅な改善と言ってもいいぐらいである。大統領選挙の11月まで改善はないという見通しから、ブッシュ政権の負の遺産が如何に酷いものであったかを訴えるキャンペーンを展開してきた。
改善が続けばピント外れのメッセージになってしまう。
図に乗って経済政策が間違っていなかったなどと言った後に就業数が増加しなければ、相手は嵩にかかって攻撃してくる。
迷うところだ。

応援はすぐ出てきた。
クルーグマン博士は勘が鋭いだけでなく、現政権にとっては実に頼りになる存在と感心する。
ちょっと経済が良くなったと思うとすぐにJob creation(就業機会増加)政策は不要という政策屋が出てくる。そんな奴に惑わされてはならない。今だからこそもっとJob creation政策が必要なのだ。特に住宅産業の活性化に全力を挙げねばならない。緊縮財政などもってのほかだ。」というものだ。
Things Are Not O.K.」(By PAUL KRUGMAN February 5, 2012)

それにしてもびっくりしたのは、クライスラーのテレビコマーシャルだ。
2分間のコマーシャル費用が約12億円だそうだ。
私がびっくりしたぐらいだから、当然共和党は、“やらせ”だと息巻いている。「救済で税金を貰った企業がそのお返しにオバマに有利な宣伝まで作って」と怒る。
というのは、クリント・イーストウッドのセリフがセリフだからだ。

どうやって逆転する?どうやって一つになる?どうやってやっつける?俺たちの国は、一発のパンチで倒れっぱなしにはならない。すぐに起き上がる。俺たちが立ち上がった時、世界中がアメリカ車のエンジン音が鳴り響くのを聞くことになる。
Mr. Eastwood, who narrates the new ad and appears among images of molten steel and city streets, says: “How do we come from behind? How do we come together? And how do we win?” He concludes, looking straight into the camera: “This country can’t be knocked out with one punch. We get right back up again, and when we do, the world’s going to hear the roar of our engines.”
In an e-mail, Mr. Eastwood said politics were not in the equation. “The ad doesn’t have a political message,” he said. “It is about American spirit, pride and job growth.” Mr. Eastwood, a former mayor of Carmel-by-the-Sea, Calif., who usually voted Republican, has acknowledged recently having a political change of heart.

西部劇だね。
しかも、一般教書演説(リンクあり)とそっくり。
勿論、クライスラーもクリント・イーストウッドも政治に何の関係もないと言っている。イーストウッドは、アメリカン・スピリットを言ったまでだと。
この「コマーシャルを見たアクセルロッドは、すぐにTweetしたそうだ。「どんぴしゃのスポットだ」って。
David Axelrod, President Obama’s chief political strategist, seized on the commercial almost immediately. He sent out a Twitter message shortly after it ran, declaring, “Powerful spot.”
Republicans See Politics in Chrysler Super Bowl Ad」(February 6, 2012)

私もこれはホワイトハウスの仕掛けとは思わない。やれば必ず漏れるものだ。むしろ、このアメリカの浪花節をきちんと理解しなければ駄目だ。「トヨタ・リコール事件」に書いたが、NUMMIを閉鎖せずに、「お世話になったから」とか臭いセリフでアメリカ人を泣かせればあんな酷いことにはならなかった。絶対受ける。何を勘違いしてか、儲からなければ閉鎖、それがアメリカ流とばかりにいくと汚い野郎と思うのが一般大衆だ。当たり前だろう。日本だって同じだ。大和魂だの、日の丸だのって息巻いても浪花節忘れたら駄目さ。地震と津波で助けられたご婦人が、自衛隊に申し訳なさそうに「どうもすみません、面倒掛けて」と深々とお辞儀して謝る姿に欧米人はびっくりしたそうだ。これが、浪花節の原点だよ。情というとちょっとニュアンスが異なる。わかんないかね〜、浪花節だよ・・・浪曲子守唄(カラオケ唯一の持ち歌)。

大統領選挙情勢について最新のギャラップ報告
Romney is the front-runner for the GOP nomination at this point, but his opponents vow to continue to campaign vigorously against him in the primaries and caucuses to come. With the vast majority of GOP delegates still to be voted on, and with a history so far this year of rapid changes in Republicans' preferences for their party's presidential nominee, his nomination is far from a sure thing.
ロムニーは共和党で先頭を走っているが、大統領候補になるかどうかまだまだ未知数だそうだ。
At this time, Romney ties Obama among registered voters nationally, but the unsettledness of the GOP race makes head-to-head ballot tests with the incumbent president far from predictive.
Various structural measures continue to point to a tough environment for Obama this year.
ロムニーとオバマのどっちが勝つかの全国調査結果は、五分五分だが、最終候補者が決まっていない数字なのでまったく当てにならない。
Satisfaction with the way things are going in the U.S. is low, Americans' economic confidence is significantly more negative than positive, and Americans are much less likely to identify as Democrats than they were in 2008.
国民の今のアメリカに対する満足度は低く、経済について悲観的な見方が大きく、2008年(前回の大統領選挙)に較べて民主党離れが多いように思われる。
Obama's job approval rating appears to be improving at this point, and history suggests that his approval ratings in March will likely portend whether he is re-elected. The direction of change in Americans' views of the economy in the next several months will also be critically important.
オバマ大統領の支持率は改善しているが、歴史的に見れば3月の支持率が再選を決めることになりそうだ。また、今後数ヶ月の経済情勢を国民がどう見るかも重要な要素になる。
Where the U.S. Election Stands Now」(February 6, 2012)

つまり、現時点では何もわからないということだ。今日、二つの州でサントラム氏が勝利した。ギャラップの言う通りだ。

どうするプラウ?

ここまで書いた状況にあなた自身を置く。プラウになる。
なら、どうしますか?
大統領に代わって閣僚とどんな話もできる立場ですよ。

少しでも就業数を増やしたいでしょう?
どうします?
海外に圧力掛けさせますよね。アメリカ製品買えって。政府調達品が手っ取り早いですよね。納期なんか1年先でも2年先でも構わない。受注さえ入れば雇用は増えますから。
交渉に時間掛けられないから、圧力に弱い国を狙いますね。どこですかね。

宙ぶらりんになっている外交課題をさっさと処理して成功実績重ねたいでしょう?
もう始まっているようですが、基地問題を終結させますね。日本のぐだぐだにこれ以上付き合っているとまたObambiってばかにされますから。費用なんか負担すれば、また共和党に攻撃材料与えることになりから、一銭の損にもならないようにしますよね。

この他、どんなことでも10月までに実績として示せるものは全部やりますね。

失業率が低下したお陰で、対日圧力がより一層強まるという話です。


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