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信仰

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信仰とは

 世人は、苦の岸たる一切世間に安住している。その一方で、もろもろの仏たちは、一切の苦を滅した彼岸に住している。もちろん、仏たちは最初から彼岸に居たのではない。静けさを目指し、安らぎを求め、真実を知ろうと熱望して、その結果、人と世の真実を見極めることを得、苦悩の此岸を離れようと思い立ち、因縁を生じ、その最後の一瞬にも揺るぎなき信仰を確立していたことによって、ついにしあわせの彼岸に到達したのである。

 ところで、彼岸は無上の楽しみであるが、此岸に遊ぶ世人たちにはそうは見えない。むしろ、此岸こそ楽しみであり、彼岸はかえって苦悩の岸辺に見えるのである。と言うのは、世人は心が顛倒しているからである。このため、人々(衆生)は苦しみの此岸にしがみつき、楽しみの彼岸へと渡ろうとは思い立たない。

 それでも、いとも聡明な人は、此方の岸を離れて彼岸を目指す心を起こす。彼は、彼岸がしあわせの岸であることを微かに覚知しているからである。彼は、信仰を起こして彼岸へ渡ろうとする。そうして、横たわる激流(妄執)を超え、ついに彼岸へと到達するのである。

 このように、すべての人々が信仰を起こすのではない。彼方の岸を望み、その岸がしあわせの岸に見える人だけが、仏の言葉を聞いて信仰を起こす。彼は、心の顛倒を正そうとする気概を持って、まっすぐに彼岸へと向かう。彼は、未だ覚らぬ身でありながら、人は覚ることができるのだと知っている。彼は、その覚りの境地が虚妄ならざるものであることを微かにだが覚知している。それゆえに、信仰を起こして彼岸を目指すのである。この根底の求めを、「聖求」と呼ぶ。この根底の求めが、修行の動機となり、明知のもといとなり、解脱の因となる。すなわち、人は聖求ゆえに信仰を起こし、妄執を超えて、ついにしあわせの彼岸へと渡るのである。

 聖求があれば、信仰を起こしてしあわせの彼岸へと到達することができる。そこで、聖求の有無が問われることになる。また、聖求の可否が尋ねられることになる。修行者にとって、誰もが聖求を持っているとは限らないと思えるからである。

 しかしながら、こころある修行者は、心配はいらない。この本を読んで、仏教に興味を抱く人は、すでに聖求あることを証している。如来の言説に興味を抱く人は、もうそれだけで聖求あることを表明していることになるからである。そうでなければ、仏教など世に無いも等しい。そうでなければ、この世はつまらない。そうでなければ、そもそも如来が世に出現したりしない。如来がこの世に出現するのは、それ自体が、正しい信仰を保つ人々が世に存することの証明なのである。


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正しい信仰

 せっかく信仰を起こすのであるから、正しい信仰を起こさなければつまらない。では、何が正しい信仰なのであろうか。それを説明したい。

 正しい信仰と言うのは、理法に則った信仰であるというのが最も基本的なことである。そして、理法に則っていると言うのは、次のことを意味している。

  『次第次第にしあわせに近づき、決して逆戻りすることがないこと。』

 ここで、しあわせと言うのは次のことを指す。

  『かれは、過去のことを後悔して思い煩うことが無く、現在について一切の悲苦憂悩を滅し、未来についても不吉なことが無い。それゆえに、しあわせだと知られる。』

 なお、次第次第にということについては、付録を参照されたい。

 以上が、しあわせの特質である。

 さらに、どうすれば正しい信仰を持つことができるのか? を問う人があるだろう。それに答えたい。

 その答えは、こうである。

  『聖求ある人が、正しい信仰を起こして、保ち、護り、励む。』

 この聖求についても、付録を参照されたい。

 まとめておこう。

  『聖求ある人は、正しい信仰を起こす。そうして、次第次第にしあわせに近づき、ついにしあわせに達する。達する過程においても、達した後においても、しあわせから逆戻りすることがない。まさしくそのようになったとき、その信仰は正しい信仰だったのである。』


信仰の正しいあり方と正しい形

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『覚りの境地』 』 『 『感興句』 』 『 『観』 』 『 『功徳』 』 『 『一円の公案』 』 『 『解脱(げだつ)』 』 『 『仏道の真実』 』 『 覚りの境地(2019改訂版) 』 を購入した方は 800円(税込)

帰依

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親近(しんごん)

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