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「しかし いったい どこへ つれていこうと いうのだ、 この こねずみたちは。」
 かいだんの とちゅうで たちどまって いきつぎしながら ババールは ふしぎに おもいます。
「サンタの おじさんは、 どうも このたてものの てっぺんの へやに すんでるようだ。 すてきな ながめと ひろい おへやが おきにいりと いうわけか。」
 あれこれ ババールが かんがえているうち、 3びきの こねずみは やねうらに たどりつき、 その すみのあたりで なにやら ちょろちょろ うごきはじめます。
「いったい どこへ いった?」
 ババールが こえを かけると、 3びきの こねずみも へんじを しまして。
「こっちです、 はやく この やねうらへ。 サンタさんを ただいま とりはずしますから。」

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最終更新日 : 2011-12-19 22:12:49



 ババールが おいつくと、 3びきの こねずみは そろって ほこらしげで。
「こちらが サンタの おじさんです。 ここで ねんがらじゅう じっと しているのです。 クリスマスイヴの ひにだけ にんげんは さがしにきて、 そのとしの きの てっぺんに かざるのです。 クリスマスが おわると もとの やねうらに もどされるので、 わたくしどもも あのかたと あそべるというわけで。」
 ここで ババールは いいます。
「しかしだね、 わたしの さがしているのは あれで なくて、 ほんものの サンタの おじさん、 いきている サンタの おじさんに あいたいんであって、 にんぎょうじゃあ ないんだ!」

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最終更新日 : 2011-12-19 22:13:17



 あくるあさ ババールの みみに、 まどを そっと たたく おとが きこえまして。 おとの ぬしは すずめで、 なにやら はなしが あるようで。
「あなたさまは いきている サンタの おじさんを おさがしだとか。 わたくしども そのかたと それなりの あいだがらですから、 おひきあわせ いたしますよ。」
 と げんきよく とびたちまして。 ババールに みちあんないしつつ、 おおきな はしで かわを こえて、 そこで いうのです。
「つきました。 いつも ここで おみかけします。 ふだんは あのかた はしのしたで ねとまりを。」
「ん? なにか おかしいぞ。」と ババールが あやしんでいると、 ことりたちが そろって ちゅんちゅん。「ほら、 あのかたですよ。


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最終更新日 : 2011-12-19 22:17:22



あそこ、 つりびとの おとなりに いらっしゃる。」
 というわけで ババールは はとばに おりて、 おじいさんの おかおを ちらりと みて おっかな びっくり、 ごあいさつしてから たずねます。
「ごめんください、 あなたが まさか ほんものの サンタさんで いらっしゃいますか。 こどもたちに おもちゃを くばるという あの。」
 ところが おじいさんの へんじは こうです。
「すまんな、 ひとちがいよ。 わしの なは ラザロ・カンペオッチ。 プロの モデルじゃ。 つまりは えかきの ともだちが、 わしに サンタの おじさんという あだなを つけおってな。 いまでは そのなで とおっておるわけなんじゃ。」
 がっくり。 そこでまた ババールが かわぎしの とおりを とぼとぼ あるきながら かんがえなおしていると。


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最終更新日 : 2011-12-19 22:16:50


 なんと ふるほんやの みせさきの おおきな ほんが めに はいりまして。 サンタの おじさんが えがかれています。 すぐさま かいまして、 じぶんの へやで あらためてみました。 けれども あいにく さっぱり わからない ことばで かかれてありまして。 こまってしまって、 ホテルの しはいにんに そうだんしてみると、 ありがたいことに じぶんの むすこが かよっている がっこうの せんせいの おうちを おしえてくれまして。
「きっと ジーリャネさんなら あなたの ごほん ほんやくしてくださいますよ。」
 さっそく ババールは ジーリャネせんせいの うちの ベルを ならします。 すぐに なかへ いれてもらえたのですが


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最終更新日 : 2011-12-19 22:17:01


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