目次
訴訟の準備
◆訴訟費用はいくらかかるか
◆当事者
◆被告はだれか
◆相手の住所が不明のときは
◆代理人の必要なとき
◆自分と無関係な訴訟はできない
◆代理人で訴訟をするには
◆弁護士への依頼
◆弁護士費用
◆多くの問題をひとつの訴訟で
◆どの裁判所へ起こせばよいか
訴訟の開始
◆訴状の作り方
◆表書きの書き方は
◆訴状の出し方
◆このとき被告の方では
◆答弁書の作り方と出し方
◆いろいろな答弁の仕方
◆答弁書を提出する
◆証拠の準備
◆証拠を保存する
◆事前の証拠調べ申立
◆証拠がないときは
訴訟当日(第1回期日)
◆訴訟はどのように進むか
◆期日変更の仕方
◆主張と立証の出し方
◆相手方に照会書を出す
◆裁判が始まるまで
◆裁判が始まったら
◆訴状・答弁書を陳述する
◆抗弁には反論する
◆争点および証拠の整理手続き
◆証拠を提出する
◆続行・延期・退場
◆相手が欠席したら
第2回以降の手続き
◆準備書面
◆準備書面の内容と陳述
◆証拠調べ
◆書証の写しを準備する
◆原本や写真の提出
◆成立の認否
◆他人の文書を取り寄せる
◆証人尋問および本人尋問
◆証人との打合せ
◆陳述書の作成
◆証人の順序と宣誓
◆異議の申立て
◆証人は二度呼び出せるか
◆何の理由もなく証人が不出頭の場合
◆遠隔地の証人
◆検証の申し出
◆鑑定
訴訟戦術
◆訴訟にも戦術はあるか
◆裁判官も人間である
◆訴訟におけるテクニック
◆先行自白をとれ
◆証拠書類の出し方
◆証人尋問での駆引きは
◆和解手続きの活用
◆示談(和解)はいつすべきか
◆引き延ばし戦術は行われているか
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◆訴訟費用はいくらかかるか

 訴訟には訴訟費用、いわば軍資金を必要とすると言った。ここでその、軍事予算と成果の見込み、訴訟の損得のことを考えて置こう。
 まず訴訟の大きさ、である。訴訟の大きさを、「訴訟物の価額」と言う。略して「訴額」とも言う。価格ではないよ。価額です。
 
◇印紙と雑費で訴額の1%
 訴訟に必要な費用は前にも述べたように訴訟物の価額の1%ぐらいである。訴額が大きくなれば、それに占める費用の率は小さくなる。訴額が小さければ率は上がる。10万円の小さい訴訟でも訴状に貼る印紙の額は1000円だ。加えて切手の予納が7000円ぐらい、最低8000円は必要だ。
 費用の中でも主なものは訴状に貼る印紙代である。その額は訴訟物の価額による(詳しくは民事訴訟費用等に関する法律を参照のこと)。
 30万円まで5万円ごとに500円、
 30万円を超えると、その部分につき同様にそれぞれ400円。
 100万円を超える部分につき10万円ごとに700円、
 300万円を超える部分につき20万円ごとに1000円、
 というのが平成8年現在の大ざっぱな額である。
 とにかく、10万円の訴訟なら印紙代だけで1000円と覚えておくのである。
 あとは雑費だ。裁判所からの呼出状や書類送達には郵券すなわち切手代がかかる。
 訴状提出の際、被告1人につき7000円足らずの郵券をあらかじめ納める。
 訴訟書類の送達は特別な郵送であるから郵便料は高い。現在でも1000円を超す(郵便料は絶えず改正になるので要注意)。
 このほかに証人申請をすれば日当と旅費、遠方からの証人なら宿泊費を出さなければならない。ただし証人が辞退すれば日当などは出さなくてよい。
 これらの印紙や切手代は、訴状を出す際に裁判所の窓口に納めるが、証人の日当などは必要な際にその都度納める。この切手代や証人の費用などは、大きい訴訟でも小さい訴訟でも変わりはない。10万円の訴訟でも100万円の訴訟でも呼出状の郵便料金は同じだからである。だから大きい訴訟になるほど、費用の割合は小さくなる。

■手数料
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/tesuuryou.html
http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/pdf/beppyo.pdf

http://www.courts.go.jp/saiban/tetuzuki/pdf/hayami.pdf



◇訴額の計算の仕方
 原告がその訴訟で追及する目的物の価格が「訴額」である。だから金銭の支払請求の訴訟であれば、簡単である。10万円を請求のする訴訟であれば訴額は10万円であるし、100万円を請求する訴訟であれば訴額は100万円である。手形金だろうと、あるいは売買代金だろうと同じことだ。なお利息や損害金など付属的な請求は算入しないでよい。
 だが、土地や家を引き渡せというような訴訟なら、その土地の価格が訴額であるが、評価が難しい。
 実際の裁判所の扱いでは不動産については固定資産税の評価額をその価額としている。
 東京都内の場合には不動産所在地の税務事務所、ほかの地域の場合は大てい市町村役場で、固定資産税についての評価証明書を出してくれる。ほかの方法によって評価の証明ができればそれでもかまわないが、実務上は困難だ。
 もっと評価がややこしい場合もある。
 貸した家を明け渡せというような場合は、家の所有権の争いではないから、家そのものの価格を訴額にするわけにはいかない。ではその家を利用する権利の評価はいくらかというと、これもはっきり決めにくい。仕方がないから、実務上は、そういう場合は家の価格の2分の1と評価することになっている。
 この場合も、家賃や損害金などの付属的な請求金は算入しない。家や土地の登記を要求する場合は、家や土地そのものの争いとみなして、家や土地の価格金額が訴額となる。
 場合によれば、書記官か親切で、「とりあえず、○○円としておきましょう。後で裁判所で確定して、その額で収めてください」ということもある。
 それ以外の、機械だとか品物の場合は評価の仕方がいろいろあって難しいが、難しくても仕方がないから取引上の価格を算出して、それを訴額とする。
 財産上の問題でない場合、例えば夫婦・親子関係などの身分上の争いなどは算定できない性質のものであるから、訴額は一律に10060万円とみなされる(したがって貼付印紙額は1万3000円となる)。
 そのほか、算定の仕方の分からない場合は、裁判所の窓口で相談すれば教えてくれる。

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