目次
転校生
100均彼氏
撒き餌
チカとピカロ
あの子
ミシン目
餃子
マネキン
ノックの音が
チューブ
コビー
野良猫
通信
睡眠
バニラ
Air
パンダ
夏休み
BJ
機種変
ボーイ・ミーツ・ガール
ノックの音が
初めて同士
ママ
探偵社
カレログ
よお
枕返し
浮遊少女
台風の目
台風一家
ノックの音が
コロッケ
輪っか
未来
煙草
職業
濡れ鼠
太郎
インタビューズ
サドル
少年
月夜
冷菓
小説工房
サメ屋
ロゼッタストーン
お漬物
単芝
あれ
びっくり鈍器
世界の終わり 1
世界の終わり 2
締め切り
意識の高い学生
世界の終わり 3
お姫様抱っこ
世界の終わり 4
あたし
いじめ
世界
カナ
入る
世界の終わり 5
キス
味噌汁
世界の終わり 6
世界の終わり 7
カムアウト
ボケて
スポンサー
恐竜のえさ
中折れ
おでん
キャッチボール
オニンギョウ
手紙
炊き出し
サメ
世界の終わり 8
告白
ばらばら
キス
ジミ
egg
金木犀
半月
dis屋
月の夜
童貞回収
スティーヴ・ジョブズ
小説
Home
三日月
変わった絵
チャラ男
愛してる
さざなみ
行き先
機械
床下
監視役
少年
眼球譚
二つの林檎
Lpn-3rd
透明の酒
廃線
ピッチャー
隕石
バットとグローブ
オオカミ少年
散歩
おっさん
大きな手
笑わぬ姫
ペットボトル
ときめき
あまのじゃく
先生
記憶
ねじ
強盗
かまいたち
それ
遅刻
缶詰
今日はどこに行くの?
幼馴染
記憶
星の欠片

閉じる


<<最初から読む

107 / 140ページ

行き先

 線路を歩いていた。僕はどこへ向かっているのだろう。やがて線路は地面を離れ夜空に浮かびはじめた。それでもそのまま歩き続けた。吐く息が白い。そろそろ星に手が届きそうだ。警笛の音がした。僕は振り返る。瞬きをする。もう僕は汽車に乗り込んでいる。やっと行き先に気づいた。

 父は柔道、母は剣道、兄は空手道。父は僕にも武道をやらせたがった。だが僕は鉄道を選んだ。父は「男らしくない」と、ことあるごとに僕をバカにした。僕は全寮制の高校に進学し家を出た。家へは二度と帰らなかった。初めて運転士として乗り込む日、一両目の奥の座席には白髪混じりの父の姿が見えた。

機械

 大陸を横断するミュシコーワン鉄道には戦地に送り込まれる機械が大勢乗せられていた。暗い貨車の中で機械達が武器を分解・整備する音がカチャカチャと響いている。ガンオイルの香りが心地よかった。それが分かるのは俺だけだ。機械任せの戦争に首を突っ込む酔狂な人間など俺以外にはいなかった。

床下

「ごめんください。世田谷区のものですが」「ご用件は」「床下を調べさせていただきたいんです。区内で多数放射性物質が見つかっておりますので、どうかご協力をお願いします」「帰ってくれ」インターホンを切った。「あなた見つかったらどうするのよ、あれ」「どうにかしないとな」

監視役

 血や泥で濡れた髪が月明かりを反射してぬらぬらと光る。汽車が揺れるたび、その光も揺れる。どいつもこいつも赤ん坊のように首が座っていない。死人なのだから仕方がない。俺は奴らの監視役だった。この汽車にはモスカロ鉱山で鉱夫として働くゾンビたちがぎっしりと詰め込まれていた。

読者登録

laybackさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について