目次
「生徒会長」「トランシーバー」「魔界」
「ウナギ」「電話」「弾幕」
「蛇」「扇」「会議」
「フリル」「火事」「酒場」
「棺」「王様」「風呂」
「パート」「校庭」「バイオリン」
「魔術」「暗号」「ラノベ」
「キリン」「ファイル」「日本酒」
「生徒会長」「騎士」「鈴」
「オリンピック」「信号」「10円」
「パート」「フォルダ」「給湯器」
「呪術」「魔王」「恋愛」
「台風」「テレビ」「バイオリン」(会話文のみ)
「熊」「対決」「北海道」
「フリル」「茶髪」「タオル」
「ウナギ」「宝箱」「980円」
「教会」「庭園」「朝食」
「朝」「フォルダ」「フラグ」
「過信」「扇」「トラック」
『露天』『モデル』『月』
『絆創膏』『新月』『錠剤』
「船」「皇帝」「泡盛」
『青』『お茶』『残業』
『青』『アイコン』『留守』
『桜並木』『ゲーム』『名刺』
『ネックレス』『変態』『猫なで声』
『保護色』『列車』『保護色』
「魔術」「宣伝」「フォロワー」
「みぞれ」「電話」「雑居ビル」
『ご飯』『緑』『ネックレス』
『連絡』『すごろく』『難易度』
「老人」「あの世」「作家」
「秋」「戦争」「騒音」
『包丁』『模様』『赤』
「魔術」「下駄」「会議」
『留守』『短歌』『列車』
「弟」「合戦」「デパート」
「手首」「伝説」「エプロン」
「雲」「リンゴ」「増える目的」
「花」「ガイコツ」「燃える城」
『化粧品』『紅葉』『日曜日』
「月」「コーヒーカップ」「希薄な大学」
『名前』『銃弾』『責任』
『ペナルティ』『好き』『プール』
『タルト』『プール』『責任』
「フィガロの結婚、麦藁帽子、広間」
「罠、珊瑚、ベルサイユ」
「天丼、切符、ブレザー」
「踊り子、高校、情」
「ホットドッグ、牡牛座、荒野」

閉じる


「生徒会長」「トランシーバー」「魔界」

 そこは、『魔界』と呼ばれていた。
「よし、今から突入する、オーバー」
 右手にもった機械に囁く。これ、ケータイ電話だけど。相手いないけど。気分だ気分、こういうのはトランシーバーの方がいい。
 深呼吸をして勢い良くドアを開け放つ。
「たのもー!」
 上から黒板消しが降ってきた。て、典型的なっ!真っ白になった視界に驚いている間に、誰かに蹴り倒された。
「また来たの?懲りないわねぇ」
 魔界の王者は小悪魔な笑みを浮かべて言った。
「何度来ても、無駄よ。正規の手続をとってない、要件を満たさない同好会を部にすることはできません」
「そこをなんとか!生徒会長のお力で!」
「無理です! 不正をするなんてこと、トップに許されないでしょう!」
 キッと睨まれる。
「帰りなさい」
 言われてすごすごと帰る俺。頭の上、チョークの粉を払う。人を蹴り倒すのは許されるのかよ、と思ったけど言えない。魔王、怖い。

「ウナギ」「電話」「弾幕」

「久しぶり」と電話の向こうで彼は言った。いつものように微笑んでいる姿が目に浮かぶ。近状報告を彼がする。マシンガントークだ、と思う。言葉が弾丸のように飛んでくる。弾幕をぬって私は私の近状報告をする。喋り続ける。沈黙が怖いから。
「美味しい鰻のお店をさ、見つけたんだ。今度一緒に食べに行こう」
 私は、楽しみにしてると微笑んだ。全部嘘。小さな嘘。
 じゃあまたね、といい受話器を置く。テレホンカードを手に取ると、私は病室へと戻った。
 出来ない約束をする、可愛い嘘。

「蛇」「扇」「会議」

 蛇を連想させる女、というのが第一印象だった。
 体温を感じさせないところや、するりとした、しなやかな動き。それから、目力。
 彼女は唇の端をぐっと上にあげて、こっちをまっすぐに見つめて笑う。蛇に睨まれた 蛙、だ。
 何も言えずに、彼女が扇状に広げたカードを一枚とる。スペードのK。それを彼女の手元に戻す。彼女は微笑んだまま、 扇を閉じた。
「私はこれから、カード達と会議を行います」
 そう宣言すると、山となったカードを額にあてて瞳を閉じる。身動き出来ずにそれを見守る。「わかりました」と宣言し、山の中から一枚のカードを取り出した。
 スペードのK。
 正解、と言おうとした途端、彼女はそのカードをびりびりに破いた。そして代わりにカードの山を崩す。
 表を向いたカードは全て、ハートの10だった。
 「トランプの中で一番ハートが多いカードよ」
 そうして、唇の端をぐっと上にあげて、こちらをまっすぐに見つめて笑う。蛇に睨まれた蛙、だ。何も言えずにいると、「わかったでしょう?貴方、私と付き合いなさいな」そうしてびりびりに破いたスペードのKすらも、ハートの10にかえてみせた。

「フリル」「火事」「酒場」

 女の子が住んでいる森から、一番近い町。そこには、小さいながらも繁盛している酒場がありました。開けるといつも、アルコールと汗と、大人の匂いがして、女の子は酒場があまり好きではありませんでした。出来る事なら、行きたくありませんでした。
 ある日、酒場が火事になりました。その酒場あっという間に全焼しました。飲んだくれていた大人達は、大けがをしました。女の子は、大事な大事なフリルのついたワンピースをしっかりと胸に抱えると、燃え盛る酒場を後にしました。
 走って逃げ出して、森の中のお家を目指しました。でも、お金を持たずにお家に帰ると、お父さんに怒られることもわかっていました。酒場から持ち出したアルコール度数の高いお酒と、マッチ。だから、その二つを、大事な大事なフリルのついたワンピースと一緒に抱えて走りました。
 女の子は今、児童自立支援施設に居ます。

「棺」「王様」「風呂」

 水の少ないこの町で、王様は一日三回の入浴を欠かさなかった。贅沢の限りを尽くした、王様専用の風呂にたっぷりのお湯をはって。民は飲み水にさえ困っているのに。王様は干ばつの時期だって一日三回の入浴を欠かさない。
 数十年ぶりの大干ばつ。民は武器を手に取り立ち上がった。
 クーデターは成功。哀れ王様は、湯船につかったまま首を刎ねられた。豪華な風呂が王様の墓場。王様の棺。

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