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やればできる子

 行く先々でやればできる子という称号を欲しいままにしてきた俺が満を持して書き上げたのがこの小説だ。芥川賞直木賞など楽勝でW受賞、ノーベル賞も夢ではなかろう。俺は意気揚々と出版社の戸を叩く。「ボツ」「なにぃ!」「もう少し頑張ろうね。やればできる子なんだから」「うん」

腐れ縁

 お互い独り身になっちゃったし飲みにでも行くかってことで腐れ縁のユキと居酒屋へ。さんざん相手の相手をdisり合っちゃ、だよな! だよね! なんて肩組んで店出てきてさ。帰り道へたり込むユキを公園で座らせてるといつのまにか二人の顔の距離が縮まって、おれたちキスしてた。

流星群

 娘が突然流星群が見たいと言い出した。だがペルセウス座流星群のピークは今日深夜。普段なら寝ている時間だ。そう言って諭すと、絶対見ると言い張って聞かない。一度寝かして頃合を見て起こしてやる事にした。眠い目を擦りながらとぼとぼと歩く娘。「ほら」私の声に娘が顔を上げる。星が降ってきた。


パパ

 澪は夜空を見上げながらぽかりと口を開けている。それを見て笑っていると気付かれた。「パパもちゃんと見て!」はいはい。「もっと近くで見たいな」私は老体に鞭打ち肩車をしてやる。「わぁー」次々と降り注ぐ流れ星。たまにはこんな夜も悪くない。それに。20代の太腿の感触はなかなかいいもんだ。


 今日はいつもより1時間も早く家を出た。駅前で不安になる。鍵は締めただろうか? 踵を返し家へと戻る。施錠を確認するとちゃんと締めてある。よかった。待て。クーラーは消したか? 部屋に入り確かめる。よし。再び駅に着く頃にはもう汗だくだった。はて? 鍵は締めただろうか?

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