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飼い主

「いったいどうして」「飼えなくなったからといって放り出して勝手に生きろというわけにはいかんのです。路頭に迷うのは目に見えてます」「だからといって何も殺さなくても」「最後まで面倒を見るのが飼い主の務めなんです」社長は涙を流す。「ほんとうにかわいい従業員たちでした」

うそつき

「なんもせえへんよ」うそつき。わたしはいっしょうけんめいにらみつける。「ほんまほんま。ほんまになんもせえへんから。行こ」ぐっと手を引かれる。わたしはもつれる足をなんとかほどき、うつむいたまま彼の半歩後をついて行く。ネオンが水たまりに揺れている。わたし、なにしてんだろ

寝ずの番

 お前ら若いもんは寝ずの番や。ほなわしらは寝させてもらうで。なんやそれ。と突っ込む間も与えずに親父たちは二階へ消える。しゃあないな。俺と従兄弟の健はばぁさんとの思い出話をアテに酒を飲る。こらお前ら何寝とるんや。親父の声。朝だ。俺たちの体にはいつのまにか布団が掛けられている。

 目が覚めると窓の外を見慣れぬ駅舎が過ぎてゆく。また寝過ごしたか。そう思った。ところがおかしい。電車は一向に停まる気配を見せない。車両にはいつのまにか私一人だけが取り残されている。終着駅で降りようとすると扉の外に昨年亡くした母の姿が。怒ったような顔で「戻りなさい」

ふわふわ

「これちがーう。だってたまごがふわふわしてないもん。ママのオムライスはもっとふわふわしてるんだよ」「そう」おばあさんは淋しそうな顔をする。「でも、おいしい。バアバのオムライスもおいしいよ」「ありがとう」おばあさんは微笑む。「さぁそろそろミケもごはんだわね」にゃあ。

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