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大好きと大嫌い

私は雨宮凜花。

私には困った友達がいる。

それは・・・、

「り~ん~か!」

「うわぁ!!ビックリした・・・」

すぐからかってくる、山中暝だ。

彼女はとてもいたずらが好きで、他の人にもすぐちょっかいをだす。

まぁ、毎日の事で慣れてしまい、今となっては無反応でいる事もある。

しかし、部活ではそうはいかなかった。

今日の部活は先生が会議中でいない事もあり、暝は真剣にやっていなかった。

いつもの事で私も気にしなかった。

しかし、彼女のさりげない一言で私は怒ってしまった。

彼女は絶望したのような顔で私を見た。

私は許さないと思った。

たった一言の言葉で私と彼女の仲はめちゃくちゃになった。

たとえそう思っていたとしても言って欲しくなかった。

私は必死に涙を堪える。

彼女はずっとただ

「ごめん・・・」

と謝っていた。

彼女が私に言った言葉は「大嫌い」その一言だった。

いつも彼女は私に向かって「大好き」と言ってくれていた。

しかしこの言葉は誰にでも平気に言う言葉だった。

さすがに私は

「そんな簡単に言っちゃいけないよ」

と言った。その次の言葉にあの「大嫌い」だ。

私はショックで何も言えなかった。

ただ、部活中話かけられても無視してしまった。

結局、部活中は全く話さなかった。

下校の時、いつも一緒に帰る友達が早退し1人で帰る事にした。

私の後を暝が追って来ている事は知っていたが足を止めようとはしなかった。

「ねぇ、待ってよ凜花」

そう言われ、仕方なく立ち止まる。

彼女はまた私に

「ごめんなさい」

と言った。

私は必死に涙を堪え、口を開いた。

「何でそんな事平気で言うかな・・・。私はちゃんと想っているのに・・・」

声は震えていた。

彼女は驚いた顔で私を見ていた。

彼女の顔を見たくなかったのでそうなのかは知らないけど・・・。

すると、彼女が口を開いた。

「ねぇ、知ってる?凜花って泣きそうになるとまばたきが多くなるんだよ」

今それを言う雰囲気じゃないでしょ。

そう思っていたがとうとう私の目から涙がこぼれ落ちた。

転校してきてからずっと一番近くで見てくれていた彼女だから分かる事。

そう思うと涙が止まらなくなる。

「さっきはああ言ってごめん。あれはウソ。本当は大好き。ウチが凜花を嫌いになる事はないから」

また、私の涙は溢れ出す。

私が「大嫌い」じゃなくて一番聞きたかった言葉。

「山中暝は雨宮凜花を嫌いになる事はありません。約束します」

そう言って暝は私の顔の前に小指を出す。

「指切りゲンマン嘘ついたら針千本飲ーますっ!指切った!」

指切りなんていつぶりだろう。

ここは笑っちゃダメなタイミングなんだろうけども笑ってしまった。

隣にいる暝も笑っていた。

久しぶりに2人っきりで帰った通学路。

いつもは5人組か別々に帰っていた。

いつから2人で帰らないようになったのだろう。

「久しぶりだね。2人で帰るの・・・」

暝も同じ事を思っていたらしい。

「本当はね、嫉妬してたの・・・」

暝が口を開いた。なんの話だろうか。

「いつの間にかさ、別々に帰ってたじゃん?だからずっと一緒に帰りたいなって思ってたんだよね~」

暝の本音私はビックリした。

そんなふうに思ってくれていたなんて思っていなかった。

紅い綺麗な夕焼けの下で2つの影が通学路に伸びていた。

「この花キレイだね」

暝が道端に咲いている一輪の花を見ていった。

後で調べるとその花の名前はローダンセという花だった。

 

 

それからと言うもの、2人っきりで帰る事はないが、一緒に帰る日が多くなった。

そして、暝は不意に私の事を見ると小指を立てるようになった。

私と暝にしか分からない動作。

そして、あの日見つけた花の花言葉は・・・、

           「変わらない思い,そして、終わりのない友情」

 


この本の内容は以上です。


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