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霊感仲間

「何ででしょうか?」

光はそう、いたずらっ子のような笑顔で言った。

何故?読心術を持っているのか?

家への帰り道、頭を抱えながら必死に悩む。

「険しい顔だね。何かあった?」

不意に声をかけられ、少し体が反応する。

話しかけてきたのは、霊感仲間の佐山梓。その隣には同じく霊感仲間の駒田数希だ。

今まで一緒のクラスだったが、今年は俺だけ違うクラスになってしまった。

どうでもいいが、梓はアメが大好きで学校にこっそり持っていってはこのように帰り道に食べている。

「何か悩んでるっぽいけどどうしたの?」

数希は優しい。バカだが······。

「俺のクラスに転校生が来たんだ」

「ふ~ん。その子女?男?どっち?」

「女で名前は光。俺の隣の席になったんだけど・・・」

「一目惚れした?」

「違うわ!!」

全く·····梓ってヤツは人の話聞く気ゼロだろ。

ため息を吐きながら光の事を二人に話す。

「転校初日に寝るってどれだけ勇気あるのよ」

驚くところそこじゃないだろ。

まぁ確かにそこも気になるが、俺は心を読まれた事に驚いて欲しかった。

「本当に心読んだの?その子」

「おう。3回ぐらい読まれた」

「い~な~。俺も人の心読んでみて~」

俺は人の心を読みたくないんだが·····

そんな事はおいといて、あの光というヤツはいったい何者なんだろうか。

「あれ?隣の席くんじゃん」

聞き覚えのある声だった。

いや······まさかな······。

そう思いながら振り返ると、そこには光が笑顔で立っていた。

お前はKYA(空気読めないアンポンタン)か!

これが噂をすれば何とやらってやつか。

「悪口言うのやめてもらえるかな?」

しまった。忘れていた。コイツ心読めるんだった。

「この子が転校生?」

「初めまして。大柿光と言います。よろしくお願いします」

「ウチ、佐山梓。よろしくね」

「俺、駒田数希!よろ!」

「ねぇ、光ちゃんってどこの中学から来たの?」

梓の素朴な質問に光から笑みが消えた。

顔も強張っている。

どうやら話したくないらしい。

梓もこの事を悟ったらしく、話の話題を変えた。

「光ちゃん、アメ好き?良かったら食べる?」

梓の必殺技だ。気まずくなると、すぐアメを取りだし渡す。

光も梓の気持ちを読んだのか、ただ、

「ありがとう」

と言って、梓のアメを受け取った。

でも·····光は何で前の中学校を教えてくれなかったのだろうか·····。

ヤンキーだらけの学校で、光も元々ヤンキーだったのか? 

帰り道はただ、光への謎が増えただけだった。


この本の内容は以上です。


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