目次

閉じる


本文

 今日は月曜。週末は土、日、月と3連休。
 夕飯に遅れないように走って家に帰ると、長女が妻に「週末は泊まりに行きたい」とせがんでいた。すると妻が「山なら行ってもいい」と言った。しかし、長女は「海じゃなきゃ嫌だ」と言い張った。
 長女が一つ年下の長男に援護を求めた。長男は「どこでもいい」と投げやりに返した。怒る妻と長女に押されて長男はぼそりと「都会で美味しいものが食べたい」とつぶやいた。つかさず長女が乗った。長女と長男の連合に負けそうになった妻は、「お父さんはどこがいいの?」と同意を求めてきた。
 わたしは家でのんびりしたい。しかし言えない。場を乱すのが怖い。
 妻に味方して票を割るのか。
 子どもたちに味方して結論を出すのか。
 選べない。
 沈黙が痛い。
「お父さんは具体的な候補地を出し合って、費用対効果を計算して、もう一度決めたらいいと思うよ」
 妻と長女はスマホで候補地を探し始めた。山と海に囲まれた避暑地に一泊して、帰りに都会で食事をすることに決まったようだ。
 家にいたいわたしの希望はかなわなかったが、みんなの期待に添える一言が言えたのだからわたしは満足だ。
 3人ともニコニコしている。
 こんなわたしは気が弱いだろうか。


この本の内容は以上です。


読者登録

エリーさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について