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算命学余話 #R91 (page 1)

 算命学の専門用語の中で一番世に知られている「天中殺」の理解が、我々専門家の解釈から逸脱して世に広まっていることに危機感を覚えます。やっぱり文字面が悪いからでしょうか。このおどろおどろしい「殺」の文字の威力に惑わされて、何が何でも悪い事件に結びつけなければ気が済まないといった素人の人たちの勝手な思い込みが、天中殺の災いを何としてでも避けたいと思わせるらしく、自らにいらぬブレーキをかけたり、せっかくのチャンスをみすみす見逃したりして、有難くも自然が与えてくれている恵みをわざわざ拒絶して生き、結果的に運勢を落としているという例がしばしば見受けられます。

 お気の毒ではありますが、目の前の情報が正しいのか正しくないのか判断できていないのにその情報に乗ってしまうという今日の情報氾濫社会の弊害の中に、算命学の思想も組み込まれているという風に解釈したいと思います。つまり算命学にも天中殺にも罪はないということです。罪があるのは、情報の真偽を確かめようとする習慣が身についていない人なのです。そんな人には、どんなに有用な情報も知識も、猫に小判です。現代のネット情報だろうと古代の思想だろうと、正しい情報や知識を識別できる人とそうでない人とでは、生き方に差が出るのは当然です。

 

 算命学的に言えば「印の運用」ということです。正しく運用できない知識ならいっそない方がいいし、間違った知識の運用をするくらいなら運用しない方がましです。なぜなら知の悪用は、大きな悪を生むからです。

 知性の星といえば龍高星と玉堂星ですが、これらの星々があるから単に頭がいいとはしゃいでいる人は、算命学の知識の浅い、おめでたいオツムの持ち主です。なぜなら、本気になった龍高星と玉堂星を敵に回した場合を考えて下さい。ましてやその敵が悪意に満ちている場合を。知能の高い印星にとって、警察や法律の目をかいくぐることなど朝飯前です。そして道徳を振りかざして衆人の心理を誘導することも、その気になればいくらでもやれます。

 

 しかし世に役立つ印星ならば、そんなことはやらないはずです。五徳のうち、印の生じる先は福です。幸福に結びつかない知恵がまがい物だということは、心ある印星になら自明の事です。ではその心ある印星とは何なのかといえば、それは数ある情報を正しく振り分けて正しい知識を選別し、それを正しく運用できる、真の意味での賢い人ということになります。

 そんな印星であるのなら、専門家でない自分がよく知りもしない天中殺の、字面に騙されて右往左往するということはありません。知らないものは知らないものとして、脇に置いて過ごすでしょう。このように、知らないものは知らないのだと明言し、知ったかぶりをしないのも、正しい知の運用のあり方なのです。世の印星の皆さん、あなたは勿論、自分がよく知りもしないことを安易に信用したりはしませんよね。

 

 今回の余話は天印星の基礎知識です。基礎は大事です。ここが間違っていると、その上に積み上げた理論まで狂ってしまうからです。十二大従星も、その文字面に惑わされて一人歩きしているのかもしれません。この辺りでそのぼやけた像をしゃっきりと整え、何を根幹として押さえておけば判断がブレずに済むのか、考察しつつ読み解いていきます。


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最終更新日 : 2019-03-09 20:17:53

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