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tovo plus〜あおもりの100家族、わたしたちのこれから。[season 7] No.083

今号(84 家族目)のご家族 ▶

小山内 悟 さん・祥子さん

撮影場所 ▶ cafe0371(青森市)

 

【インタビュー】

●2011年3月11日のことは覚えていますか?

▶悟さん「小学校に勤めていたので、児童を避難させました。子どもたちの帰りは親御さんに迎えに来てもらって人的被害はなかったけど、避難の最中も揺れがあったし大変だった。テレビがつかないから他所の状況がわからなくて、電池式のラジオを持っていた先生のおかげでやっと津波が起きたりしているのを知りました。蓬田村の学校にいた頃、日本海中部地震が起きて、津波になる前の瞬間の海を見たことがあるんです。陸奥湾を見に行ったら波がザァーッと引いていって。その時も放送を自分で流して学生を避難させました。あの時の被害も大きかったけど、それでも3.11の状況にはびっくりした。」

▶祥子さん「私は幼稚園に勤めてました。預かり保育で、さあ〜今からおやつを食べましょうって時に地震がきて。幼稚園では定期的に避難訓練をやっていて、そのおかげで職員も慌てず冷静に対応できたんです。園児たちもいつもの練習だと思っていたみたいだけど、段々『本当なの!?』というような反応になりました。職員も早く帰ることになって、家に帰る途中、友人が2階の窓から『この世の終わりだよ〜』と声をかけてきたのを覚えてます。テレビが見られなかったので電池式のラジオを一生懸命聞いていました。やっぱり目で見えないから中々実感がわかなかったですね。その後も余震があったから、いつも陶器のお皿でおやつを出してたのを紙皿に代えたり、とにかく園児たちを余計に怖がらせないよう工夫しましたね。マンションに住んでいて、水が出ないからって幼稚園に貰いに来る親御さんもいたので、どうぞどうぞと提供していました。」

 

●震災後、何か変わったことはありますか?

▶悟さん「充電器とか、電池でできるものはすぐ用意しました。停電の不便さを痛感しましたね。ガソリンを入れるタンクも買って、10リットルくらいは備えて置いて。非常食、というほどでもないけど、保存がきく食品は多めに買っておくようにしてるかな。」

▶祥子さん「テレビで被災地の方が『自分は家族のご遺体にちゃんとお別れができたから幸せです。でも毎日海に行ってご家族を探し続けている方々が沢山…』と話されているのを見て、今までにない衝撃を受けたんです。震災があった3月に仕事を辞めることになっていたので、4月からは被災地に行こう!と決めていました。そんな時、福山雅治氏がラジオで『やれることから始めよう、被災地に行かなくても目の前で困っている人を助けてあげればいい』と。それを聴いて、以前から『子連れでゆっくりおしゃべりできるお店がほしい!』と子育てサークル(以前の仕事)のママの声をよく耳にしていたこともあり、じゃあ私がやろう!と『場の提供』をコンセプトにして覚悟を決めてカフェをスタートしました。以前からお父ちゃんが退職後に飲み屋をやりたいってぼんやり言っていました。じゃあそれも叶うようにまずはやってみよう!って。現在はお子様連れのお客様もご来店が多くなりました。」

 

●ご夫婦の10年後のイメージは?

▶祥子さん「今の感じを続けてるといいよね〜。いや、続けていくって決めよう!今やっていることを丁寧に続けよう(笑)!何かあった時、ご近所さんもここに集まれるようなそういう場所にしていきたいな。幼稚園やボーイスカウトで関わった子供たちが同窓会などで利用してくださっています。そういう出会ったコト、モノ、ヒトのつながりを大切にした10年を目指したいです。」

▶悟さん「蓄えの余裕があるようにしておこう。」

▶祥子さん「備えよ常に!物だけでなく気持ちも備えていたいもんです。」

▶悟さん「ボーッとしてられないなと思う。歳とか関係ない(笑)!飲み屋もそうだけど、アイスクリーム屋をやりたいんだよなあ。栗とかカシスとか、今出会ってる人たちのアイデアを聞きながら。」

▶祥子さん「今ここで言ったから、やらないとだめよ(笑)。お父ちゃんとは価値観は色々違うけど、人の為にメニューを決めたりするのを楽しむ所は気が合うから、お互い気づいたことを行動していきたい。それから、こんな私たちをいつも応援してくれている長男、次男夫婦にはとても感謝しています。ありがとう!」

 

 

【取材後記】tovo paper の配布協力もしていただいている青森市のcafe0371。お子さん連れのママさん方がおしゃべりしてたり趣味の集いが開かれていたりとお客さんの年代もジャンルも幅広く、祥子さんお手製のランチやこだわりコーヒー、賑やかトークをゆったり満喫してゆきます。何かが起きてもそうでなくてもお店はみんなの憩いの場で、そこにはご夫婦の人柄がありありとあらわれているのです◎ご主人の作ったアイスがメニューに載る日が待ち遠しいなあ(笑)。(今号No.083のインタビューと撮影:坂本 小雪)

 

【寄付総額】2011年6月〜2018年12月24日まで「¥7,278,202」を、あしなが育英会「あしなが東日本大震災遺児支援募金」へ寄付することができました。ご支援に深く感謝致します。

 

【定期購読のご協力を!】1年間の定期購読を承ります。1,800円(送料・寄付含)/1年間(12号)です。このフリーペーパーは定期購読の皆様のご支援で発行されております。ご支援の程、宜しくお願い致します。ご希望の方は、ウェブショップ(http://shop.tovo2011.com)よりお申し込みください。


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最終更新日 : 2019-02-11 17:09:00

この本の内容は以上です。


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