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悲しみの味

例えば、にわか雨

例えば、恋人の背中

例えば、成功譚

 

世の中は悲しみの味で溢れていて

幸せの匂いがフワリと鼻を掠める

 

愛していると囁きあう恋人達を

じっと見守っているけやき並木は

前世で互いが互いを

愛し合えなかった罰を受ける

男や女の

生まれ変わりに違いない

 

例えば、秋

例えば、駅前の時計

例えば、温かいコーヒー

 

悲しみの味を噛みしめたら

さっさと落ち葉を踏みしめて

 

 

 

人生の舌が肥えたことに

喜びを感じて見せようか

 

 


この本の内容は以上です。


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