目次

閉じる


そろそろだろうか

 

今でも瞼の裏には

暁のほの暗い空の色が焼きついている

 

カーテンのない

窓を開けて風に目を細めて

この空の名前は、と問えば

と、髪を漉きながら教えてくれた

 

 

「二度とこのドアを開けないでください」

 

 

あの人が思い描いた未来が

いつか叶うといいのにねと

左の口角を上げながら

始発の電車を目指して歩く

 

久しぶりにアイライナーを引いて

ストライプのシャツを着よう

 

水色と白の縦縞を

好きになったキッカケを

 

 

思い出してはクスリと笑う

 

 

そろそろだろうか

 

私に暁を教えた男は

今日も素晴らしい朝を迎えて

 

あの空の色を知らない女と

微笑みを交わしあうのだろう


この本の内容は以上です。


読者登録

百舌谷 灯さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について