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ひょろ長い

 私は、ある植物を育てている。

 育て始めてから、もう、うん十年経っている。

 小学生の頃、学校で育てていた朝顔が、私のだけ朝顔じゃなかった。

 いつまでも花は咲かないし、冬になっても枯れなかった。

 そして今現在、ここにいる。

 茎はひょろ長く、もう少しで天井に着きそうだ。

 成長は遅い。そして今にも枯れそうなのに、なかなか枯れない。

 弱々しい茎は、なんにも支えをしないのに、不思議とすくっと立っている。

 私は気が付いた時だけ水をやり、気を張らずに育ててきた。そのせいか、この植物も気を張らずに生きているようだ。まだ一度も花は咲いたことがないのに、私の家に我が物顔で、居座り続けている。

 

 

 ある日、予感がした。

 この予感は、私の場合、すごくよくあたるのだ。

 明日、花が咲く。

 

 私の心は嬉しさでいっぱいになった。

 明日咲く、明日咲く、明日咲く

 胸がツンと痛くなって、眠れなかった。

 

 私は仕事から早く帰って来た。 

 いそいそと、植物に近づく

 ひょろ長い茎のずっとずっと上の方

 

 そこには、朝顔にそっくりな、紫の花が咲いていた。

 

 私の夢は叶った。


奥付


【2018-06-16】指さし小説 第27話


http://p.booklog.jp/book/122552


著者 : かっこ
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/resipi77/profile
今回のテーマは、見た瞬間ぷっと笑ってしまいました。
ひょろ長いのひょろって、すごくその形態を表している気がします。ひょろひょろっと。
私が小学校の時に育てていた朝顔は、12月になってようやく咲いたので、その朝顔のことも
思い出しながら書きました。

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